明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

青山真治『すでに老いた彼女のすべてについて語らぬために』

昨日は、ジャン=ミシェル・フロドンの文章の日本語訳を半分まで読んだ時点で書いたのだが、後半の訳もぐだぐだだった。それでも、『フィルム・ノワールの時代』の細川晋の訳よりは全然ましだったが・・・(サイト「映画の誘惑」を参照)。ま、こんな話を続…

吉田喜重に会う

京都造形芸術大学に吉田喜重がトークをしにくるので、話を聞きにいく。トークが終わってホールの外に出ようとしていたとき、第七藝術劇場の松村氏に呼び止められる。七藝で吉田喜重の上映をやるので、今日はそのために監督とスケジュールの調整などの打ち合…

衣笠貞之助『狂った一頁』『十字路』

京都市立博物館にて。最も有名な日本のサイレント映画。実は、今回見るのが初めて。たしかに、瞬間瞬間すごいイメージがあるのだけれど、全体的に見るとどちらも結構退屈な映画だった。ま、結局、お話はどちらも古くさい新派のそれなのだ。両作品とも、雨の…

アラン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』

アラン・ルルフォの『ペドロ・パラモ』がいつの間にか品切れになっていた。大型のネット書店をいくつか調べてまわったが、すべて入手不可。いつか買うつもりでいたが、まさかこんなに早くなくなるとは思っていなかった。が、最終兵器として残していた三月書…

エーリオ・ヴィットリーニ『シチリアでの会話』

「私は、あの冬、漠とした怒りの虜になっていた。」(『シチリアでの会話』) プラネットでストローブ=ユイレの『労働者たち、農民たち』と、ペドロ・コスタの『映画作家ストローブ=ユイレ/あなたの微笑みはどこに隠れたの?』を大阪 Planet Studio + 1で…

ナンシー・シナトラの "End of the World"

青山真治の『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を京都シネマで見た。青山の映画は、最近は、3本に1本ぐらいしか劇場で見ていない。これも知らない間に封切りが終わっていたので、しまったと思っていたのだが、調べてみたら、京都シネマで1週間ほどかかって…

並木鏡太郎『樋口一葉』(39)

京都市立博物館に並木鏡太郎の『樋口一葉』を見に行く。ふだんは入場券を買いさえすれば入れるのだが、今回は特別企画なので、あらかじめはがきを持っている人だけしか入れないと受付でいわれる。しかし、上映開始ぎりぎりになってまだ空席があれば見られる…

エイアル・シヴァン、ミシェル・クレイフィ『ルート181』

1月末に、京都の「ひと・まち交流館」という場所に映画『ルート181』を見にいく。『スペシャリスト:自覚なき殺戮者』のエイアル・シヴァンと『ガリレアの婚礼』のミシェル・クレイフィが共同で撮ったドキュメンタリーだ。最近は劇場に映画を見にいくこ…

ジャン=ピエール・モッキー "Les Compagnons de la margurite"(67)

DVD

古文書の修復の仕事をしている男マトゥゼック(クロード・リッチ)の結婚生活は不幸だった。彼の妻は夫を顧みず、日がな一日テレビばかりを見ているような女で、彼は離婚したがっているのだが、妻は今の安穏な生活を捨てる気はない。マトゥゼックは、その神…