明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

もっとも危険なゲーム〜コーネル・ワイルド『裸のジャングル』

Amazon.com に注文していた商品が到着予定日を1週間ほど過ぎても届かないので、そろそろメールで確認しておいたほうがいいかと真剣に考えはじめたころになってやっと届く。ほっとしたが、梱包の仕方がちょっと気になる。いつもは段ボールのなかの商品がナイ…

エルミタージュのほうへ、ソクーロフ『旅のエレジー』

夜桜がちらほらと舞うなか、野外で薪能がおこなわれている。そこはどう見ても日本のようなのだが、終始聞こえているモノローグのなかに「日本」という言葉はでてこない。たくさんの観客が舞台を見つめているが、夜の上に、画面にはうっすらと紗がかかってい…

フリッツ・ラング『ハウス・バイ・ザ・リバー』ほか

DVD

ルイス・マイルストンの『異常な愛』(Strange Love of Martha Ivers, 未公開)の DVD をずいぶん昔に買ったままだったことを思い出し、見てみる。 ルイス・マイルストンは、『西部戦線異状なし』というつまんない戦争映画で有名だが、わたし的にはこれがか…

短編映画の秘かな愉しみ〜アニェス・ヴァルダの初期短編について

だれもが知っているが、だれもいわない。ヌーヴェル・ヴァーグの最初の映画は『ラ・ポワント・クールト』であり、つくられたのは1955年、『二十四時間の情事』と『大人は判ってくれない』の3年前だということを。ジャン=ミシェル・フロドン フランスの…

気になる新刊〜バルザック『ランジェ公爵夫人』ほか

Amazon で新井英樹の『ザ・ワールド・イズ・マイン』を注文してしまった。面白いのはわかっていたが、万が一面白くなかった場合のことを考えて、念のために3巻目までをまず注文する(といっても、全部で5巻なので、大して変わらないのだが)。わたしが買っ…

プチ読書録〜山田風太郎『魔群の通過』ほか

セルジュ・ダネーがマリオ・バーヴァの『知りすぎていた少女』についてどこかに書いていたはずだと思って探してみたが見つからなかった。L'Exercice a été profitable, Monsieur のなかに出てくる『血ぬられた墓標』のこととどうも勘違いしていたようだ。『…

役に立たないかもしれないいくつかのトリヴィア

マリオ・バーヴァの Rabid Dogs には、強盗たちによって人質にされた若い女が、服を着て立ったまま放尿を強要されるシーンがある。すぐに気づいた人もいると思うが、ウェス・クレイヴンの『鮮血の美学』にもこれとまったく同じ場面があるのだ。ウェス・クレ…

Giallo ってなんじゃろ?〜マリオ・バーヴァとアントニオ・マルゲリーティをめぐって

イタリアのホラー映画について書かれた文章などで、"Giallo" とか "Giallo movie" といった言葉をよく眼にすることがある。ホラー映画のサブジャンルらしきことはだいたい文脈から予想がついていたが、ちゃんと調べてみたことがなかった。"Giallo" とはいっ…