2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「フォードが最終的に目指すものは社会であり、ホークスの場合、それは集団(グループ)である。ウォルシュが目指すのはただただ個人──個人の体験、進歩、発展なのである」(デイヴ・カー) ラオール・ウォルシュ『賭博の町』(Silver River, 48) ★★★ 41年の…
しばらくまともに更新していなかったので、その埋め合わせに、年末からずっとハイペースで更新を続けていたのだが、そろそろペースダウンしようと思う。書くネタならいくらでもあるが、あんまり急いで更新していると、書く内容が散漫になってくる。それに、…
ドミニク・ブニシュティ『従兄ジュール』(Le cousin Jules, 1972) ★★ 備え付けの古めかしい大きなドリル、その横には万力がおかれている。埃だらけのテーブルの上に所狭しと並べられた大小様々のやっとこやハンマーを、キャメラは横移動でなめるように映し出…
沢島忠『間諜』(64) ★★ なんというか、単純に面白かったですね。ベテラン監督沢島忠による時代劇なんですが、タイトルからもわかるようにスパイ映画でもある、そういうちょっと変わった作品です。 1964年の作品だから、東映がいわゆる集団時代劇によって新風…
クシシュトフ・ザヌーシ『カムフラージュ』(Barwy ochronne, 77) ★★★ 傑作だと思った。わたしがこれまでに見たザヌーシの映画は、『結晶の構造』『イルミネーション』『家族生活』『太陽の年』『巨人と青年』のわずか5本に過ぎない。どれも興味深い作品だっ…
ジャック・ターナー『Circle of Danger』(51) ★★ ついでに、ジャック・ターナーの映画をもう一本簡単に紹介しておく。これはターナーが独立プロで撮った初めての作品である。そして、この映画はアメリカ映画ではなく、イギリス映画として製作された。タイト…
ジャック・ターナー『恐ろしき結婚』(Experiment Perilous, 44) ★★ 「視覚的スタイルだけで判断するなら、ターナーの最も完成された作品のひとつ。ターナーは俳優たちの身体、キャメラのポジション、舞台装置を用いて、作品全体に広がる繊細なイメージのパタ…
「私は自分の生まれについてほとんど何も知らない。パリで生まれたことは知っているが、母は誰かわからず、父はただひたすら女優のスナップを撮り続けていた。そして息を引き取る少し前、私が映画のキスから生まれたことを打ち明けた。」 冒頭2ページ目に現…
アレクサンダー・マッケンドリック『The Maggie』(54) ★★★ マッケンドリックがイーリング・スタジオで撮ったコメディ。残念ながら日本では未公開で、『マダムと泥棒』などと比べるとあまり知られていない作品ではあるが、マッケンドリックを代表する傑作のひ…