明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

新作DVD――神代辰巳『女地獄 森は濡れた』Blu-ray、『妻たちの性体験 夫の眼の前で、今…』Blu-ray ほか

DVD

ヴェルナー・ヘルツォーク『小人の饗宴 HDリマスター』 [DVD]、『小人の饗宴 HDリマスター』 [Blu-ray]『カスパー・ハウザーの謎 HDリマスター』 [Blu-ray] 『ジャン=リュック・ゴダール ベストバリューBlu-rayセット』 (期間限定スペシャルプライス) 日活の…

ヒューバート・コーンフィールド『Plunder Road』――ロード・ムーヴィー・ノワールの佳作

ヒューバート・コーンフィールド『Plunder Road』(57) ★½ この映画は、いわゆる "heist movie" (強奪映画)の初期の代表作の1つだが、フィルム・ノワールとして語られることも少なくない。いろいろとユニークな点があってなかなか興味深い作品である。銀行…

ドン・シーゲル『地獄の掟』――アイダ・ルピノと Filmmakers についての覚書

ドン・シーゲル『地獄の掟』(Private Hell 36, 54) ★½ 実は見るのは今回が初めて。大好きなドン・シーゲルの未見の作品ということで、かなり期待したのだが、正直、がっかりするできだった。なぜか『第十一監房の暴動』のような監獄ものだと長い間思い込んで…

ノーマン・フォスター『Woman on the Run』――フィルム・ノワールとメロドラマのあいだで

ノーマン・フォスター『Woman on the Run』★★ さほど期待していなかったのだが、思いの外よくできた作品だったのでびっくりした。監督のノーマン・フォスターは、オーソン・ウェルズの『恐怖への旅』の監督であり、『イッツ・オール・トゥルー』にも関わって…

『地球爆破計画』『アンドロメダ…』――70年代SF映画の2つの古典

SF映画を2本。どちらも地味な作品だが、SF映画史に残る古典である。 ジョゼフ・サージェント『地球爆破計画』(Colossus: The Forbin Project, 70) ★½ "I think Frankenstein ought to be required reading for all scientists." (Colossus: The Forbin Proj…

新作DVD――ダニエル・シュミット『トスカの接吻』、デュヴィヴィエ『旅路の果て』ほか

DVD

『ハリウッド西部劇映画傑作シリーズ DVD-BOX Vol.18』『赤い渓谷』、『ロビン・フッドの復讐』(ウィリアム・ウェルマン)、『サドル・トランプ』、『夢想の楽園』(ヘンリー・キング)、『テキサスから来た男』を収録。『夢想の楽園』は、都会のデスクに座…

シャルナス・バルタスについての覚書——Reminiscences of a Journey to Lithuania

シャルナス・バルタス*1についてはこれまでにも何度か名前を出したことはあるが、ちゃんと紹介したことはなかったので、簡単にまとめておく。 1964年、リトアニアに生まれる。ソ連邦がまさに崩壊の危機を迎えつつあり、当時まだリトアニア・ソビエト社会…

グレゴリー・ラトフ『Moss Rose』――ペギー・カミンズの暴走

グレゴリー・ラトフ『Moss Rose』★★ 19世紀、切り裂きジャックにこそ相応しい深い霧に包まれた夜のロンドン。女友達を殺されたミュージック・ホールの女役者ベル(ペギー・カミンズ)は、事件の直後にアパートを立ち去った怪しい男マイケル(ヴィクター・…

ノエル・ブラック『やさしい毒草』

小さい時にテレビで見た映画のなかには、タイトルも、だれが出ていたかも全く思い出せないが、いつまでも記憶に焼き付いて忘れられない作品がある。物語の詳細はほとんど忘れてしまっているのに、ある細部だけが強烈に記憶に残っていて、その細部が何度も繰…

W・C・フィールズについての覚書1——『進めオリンピック』

「2,3年前私は、個人的な楽しみとしてもう一度見たい映画は何か、と大学生たちに聞かれたことがある。私はためらうことなく『我輩はカモである』と『進めオリンピック』だと答えたが、その2本の映画がまさか関連があるとは知らなかった。しかし、それら2…