明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アンリ・ドコワン『家の中の見知らぬもの』――ナチの資本で撮られた仏製ミステリー映画の問題作

アンリ・ドコワン『家の中の見知らぬもの』★★ 『十字路の夜』、『パニック』、そしてこのドコワンの『家の中の見知らぬもの』と『La vérité sur Bébé Donge』……。そのうち、「ジョルジュ・シムノンとフランス映画」という本が書かれねばならないだろう。この…

『市民ケーン』余話――コウルリッジの夢とディケンズの謎

オーソン・ウェルズの『市民ケーン』でケーンが自分のために建て、最後に、そのなかで孤独に死んでゆく城の名前「ザナドゥ」が、イギリスの詩人サミュエル・テイラー・コウルリッジによって書かれた叙事詩「クブラ・カーン」Kubla Khan のなかに登場する土地…

新作DVD――大島渚『マックス、モン・アムール』ほか

DVD

ジョゼフ・フォン・スタンバーグ『アメリカの悲劇』 [DVD] 『陽のあたる場所』と同じセオドア・ドライサーの小説をスタンバーグが映画化。エイゼンシュテインが最初映画化する予定だったが、シナリオが受け入れられず降板した。 ヴィンセント・ミネリ『いそ…

『市民ケーン』劇場その6――ガラス玉遊戯

【4月8日】 《神戸映画資料館 連続講座「20世紀傑作映画 再(発)見」第1回、「『市民ケーン』とは何だったのか」》 サム・ウッド『恋愛手帖』 "snowglobe" と呼ばれる雪の降るガラス玉は19世紀にはすでにヨーロッパで知られていた。それがアメリカに伝わっ…

『市民ケーン』劇場その5――ヘンリー・C・ポッター『ヘルザポッピン』

【4月8日】 《神戸映画資料館 連続講座「20世紀傑作映画 再(発)見」第1回、「『市民ケーン』とは何だったのか」》 ヘンリー・C・ポッター『ヘルザポッピン』(41) "It's a picture about a picture Hellzapoppin." 映画のなかの登場人物が映写技師に向かっ…