明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

セディク・バルマク『アフガン零年:OSAMA』

タリバン政権下のアフガンを描く。生活のために少女が少年になりすますという話は『少女の髪どめ』でもあったが、この映画では想像以上に悲惨な結末で終わる。少女は少年のふりをしてほかの少年たちとコーランを覚えたりするのだが、それがタリバンにばれて罰を受けることになる。彼女の直前に、無断で撮影を行っていた外国人記者が銃殺され、彼女も同じ運命をたどるかと思われたが、最後の瞬間に恩赦が与えられ、彼女はタリバンの老人に娶られて彼の家に連れて行かれることになる。しかし、そこには彼女と同じように彼と結婚させられた少女たちが何人も幽閉されているのだった。このあたりは、トビー・フーパーのホラー映画を思わせるような怖い展開だ。ある意味、銃殺されるよりも悲惨なラストである。映画としてはとりわけ際だっている作品でもないと思ったが、主役の少女は文句なしにすばらしい。

イランはますますやばくなっているようだが、いったいどうなるんだろうか。