明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

「アムステルダム国立美術展」


アムステルダム国立美術館展」を最終日に滑り込みで見に行く。例によってぎりぎりまでのばしてしまったので、最悪のコンディションで見ることになってしまった。ものすごい人混みでまともに見られなかった。フェルメールの「恋文」も、近くで警備員が「ゆっくりと進んでください」とせかすので、落ち着いてみられなかった。しかし、一昨年の神戸みたいに、たった一枚のフェルメールを近くで見るために長時間ならんで待たなければならないということはなかったので、あれに比べればまだましだ。

フェルメールレンブラント以外はたいしたものは着ていないのかと思ったが、意外と充実していたのではないか。前日に本の複製で見ていたライスダールの風景画が出品されていたのには驚いた。フェルメールの向かいの壁に展示してあるピーテル・デ・ホーホの絵も傑作だった。

アブラハム・ミニョンなどの花の絵によく描かれている蝸牛にはなにかの意味があるのか。これにも〈ヴァニタス〉の意味が? 造花のように作り物めいて見えるほど美しい花。

心を引かれる絵には、見ているうちにその中にはいってしまいたくなる。写真を見ているときも、ときどきそういう気持ちになる。しかし、映画を見ているときに、このフレームのなかにはいってしまいたいと思うことは皆無だと言っていい。見ているときにこの場所に行ってみたいと思うことはあるが、それとはまったく別の衝動だ。