明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

鈴木道彦訳『失われた時を求めて』


抄訳版でしか出ていなかった鈴木道彦訳マルセル・プルースト失われた時を求めて』の完訳版が、ついに文庫で出ました(情報が少し古いですが)。

わたしはおおむかしに、大学の夏休みをかけて、井上究一郎訳で読み通しました。疲れましたが、えもいわれぬ体験でした。

長いので途中で挫折する人が多いと聞きます。これは、いわばきらめく断片が複雑に寄せあわされた、多面体のような小説です。長編とは思わずに、どこから読み始めてもいいような作品と、気楽に考えて読み始めたほうがいいでしょう。