明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

ファントマ映画祭2006


ルパンやジゴマ、ドラルーなどと並んで、ほとんど現代の神話と化しているファントマ。フランスでは知らぬ人のないこのファントマの伝説を作り上げるもとになった、ルイ・フイヤードサイレント映画ファントマ』3部作の特別限定上映が行われる模様。メトロや地下水道を使ったロケ撮影など、都市としてのパリに興味がある人にとってもたまらない作品だ。(夏休み〜ライズX)

関西での上映もあるのかどうかは、不明。

ファントマ』三部作は見ているので、個人的には、傑作といわれている『吸血団』Les Vampires が見てみたい。日本では『ファントマ』のほうが知名度は高いのだけれど、"Vampires" のほうを高く評価する批評家が結構多いようなのだ。もっとも、盗賊団を主役に描いた映画ばかり撮っていたので、フイヤードは警察ににらまれてしまったらしく、『Judex』では善玉に肩入れした作品を撮らざるを得なくなったらしい。

フランスでは4枚組DVD-BOX (下)がでているのだが、少々値が張るので、なかなか手が出せないでいる。2枚組の北米版もあるが、なぜか同じぐらい高い。ファントマをめぐって両大戦間のパリの文化状況を考察した千葉文夫の『ファントマ幻想』という本も一読する価値あり。