今年の夏も、あんまり見に行きたくなる映画はなさそうだ。ジャコメッティ展がいちばんの楽しみ。
ひさしぶりに公開情報をチェックする。ラウール・ルイスの『クリムト』の公開がようやく決まったようだ。もう何年も前にホームページなどで紹介している作品だが、いっこうに公開される気配がないのであきらめていた。プルーストやクリムトなどビッグネームがからまないとルイスの作品は日本では見られないらしい。まあいい、とりあえず見れるだけでよしとしよう。
ロメールの『三重スパイ』も東京の日仏学院かどこかで上映されたらしい(そんなところで上映されてもわたしは見られないが)。
日本の配給会社の人ももう少しがんばってもらえませんかねぇ。アルタヴァスト・ペレシャンとかピエール・ペローとかシャルナス・バルタスとか、公開すべき映画はまだまだあるだろう。イェジー・スコリモフスキーがゴンブローヴィッチの『フェルディドルケ』を映画化した『三十の扉の鍵』を公開しようと考える人はもういないのか?(前に、ある配給会社を取材したテレビ番組を見ていて驚いたのだが、そこで働いている人間のほとんどが、英語をしゃべるのはおろか、ろくに読めもしないのだ。こんなのでちゃんと情報収集できるんだろうか。映画検定はこういう仕事にこそ必要なのかもしれない。)
黒沢清の『LOFT』も秋まで待たないと見れない。
ああ、イーストウッドが待ち遠しい。
・『クリムト』
監督:ラウル・ルイス 出演:ジョン・マルコヴィッチ/ヴェロニカ・フェレ
内容:19世紀末のオーストリアの天才画家、グスタフ・クリムト。パリ万国博覧会で絶賛を浴びた彼を故郷ウィーンはスキャンダルと罵倒した。それはタブーとされていた裸体をこともなげに描いたからだった…
(秋〜Bunkamura ル・シネマ)
・『サラバンド』
監督:イングマール・ベルイマン 出演:リヴ・ウルマン/エルランド・ヨセフソン
内容:かつて夫婦として生活をともにしたマリアンとヨハンは離婚後30年ぶりに再会する。一方、近くで暮らす彼らの息子と娘は愛憎をたぎらせ、痛みと苦しみの感情をサラバンド(バッハの組曲)にぶつけていく…
(秋〜ユーロスペース)