明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。































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神戸映画資料館でわたしが行っている「連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見」の詳細が決まりました。

「連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見
第8回 パプストとブルックス──『パンドラの箱』を読み解く」
2019年12月22日(日)
詳細はここで。
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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

奥浩哉『GANTZ』


この数日、なんとなくボーッと過ごしている。早くも夏ばてしてしまったのかもしれない。部屋が暑くなるのでパソコンもスリープさせることが多くなった。ブログの更新もペースが落ちていきそうだ。

ブログの更新をさぼっていたあいだ『GANTZ』というマンガを1巻目から18巻目まで読み通した。結構有名なマンガなので、マンガ読みには今更といった作品だろう。前にも書いたように(たしかどこかで書いたと思うのだが)、わたしは90年代になってマンガをあまり読まなくなったので、この本のことも最近まで知らなかった。『GANTZ』の1巻目が出たのは2000年である。

実は、だいぶ前に一巻目だけは読んでいたのだが、そのときはちょっとえぐい絵のタッチと唐突な展開に、「ちょっと違うな」という感じがして、先を読むのをやめてしまったのだった。思い直して、また読み始めたのだが、これがめちゃくちゃ面白いのだ。結局、前回は、話が面白くなり始める前に読むのをやめてしまっていたのだった。最近は、なんでも見切るのが早くなってしまい、根気よく作品とつきあうのがだんだんできなくなってきている。反省しなければ。もう少しでこんな面白いマンガを知らずに終わってしまうところだった。

さて、このおもしろさをどうやって伝えたらいいのか。実は、ものすごく長い文章を書いたのだが、読み返してみて削除してしまった。ストーリーを説明しても、このおもしろさが伝わりそうにない。とにかく読め、としかいえない。

一言でいうと理不尽なマンガである。物語は主人公が死ぬところから始まるのだが、そこから彼は生とも死とも区別がつかない時空を生き始める。その時空が、生死をかけたゲームとして設定されているところが面白い。彼が戦う相手は、マンガチックな宇宙人だったり、恐竜だったり、巨大な大仏だったりするのだが、見ようによっては『うる星やつら』ふうの非常にコミカルな状況が、リアルすぎるほどリアルに、シビアに描写されてゆく。しかも、18巻まで読んでも、なぜこんな闘いをしなければならないのか説明が一切無い。理不尽である。この理不尽な状況をまったく飽きさせずに読ませる作者の力業は相当なものだ。

バトルが繰り広げられる異世界と現実とのあいだには最初は境界がひかれていたのだが、ここに来てその境目がほころびかけてきた。主人公たちの闘いは現実の世界の住人には見えないはずだったのが、彼らを襲う吸血鬼のグループなんてものまで現れ始め、ますますわけのわからない展開になってきた。まだ19巻目は読んでいないのだが、これからの展開に目が離せない。