明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

海の向こうでヴェネチア映画祭がはじまっている・・・


「Cahiers du cinéma」の HP がひさしぶりに更新をはじめた。長いあいだ全然更新していなかったような気がするのだが、別にレイアウトが変わった様子もない。なんだったんだろうか。

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リベラシオン」と「ル・モンド」では、ヴェネチア映画祭で上映される作品のことが毎日のように報告されているのだが、面倒くさいので見出しだけちらっと見て中身はほとんど読んでいない。アピチャポン・ウィラーセクタンの新作『Syndromes and a Century』(またまた意味不明なタイトル)はこれまでの作品にもまして「étrange et déboussolant」(奇妙で、途方に暮れさせる)などと書いてあるとどうしても見たくなってくるのだが、わたしの住む関西では『Blissfully Yours』も『Tropical Malady』もまだ上映されていないというありさまだ。この新作も何年待てば見ることができるのだろうか。

アラン・レネの新作『Coeur』は「un bouleversant chef-d'oeuvre」(驚くべき傑作)だなどという文句を見て、そうなのかと思ったりもする(フランスのメディアが伝えているのだから、多少割り引いて考えておいたほうがいいだろうが)。レネの最近の作品はなぜか日本でも公開されているので、これも待っていればいつか見ることができるだろう。

クアラルンプールを舞台にハイテク社会の暗部、ミラーイメージを描いた作品らしいツァイ・ミンリャンの新作『I Don't Want to Sleep Alone』も相当評判がいい。前作の『西瓜』(天邊一朶雲 THE WAYWARD CLOUD)は9月に公開されるらしい。『楽日』は関西でこれから公開されるんだろうけど、どこの映画館になるんだろうか。それにしても、日本で公開される時期とのタイムラグがあまりに大きいのでめまいがしてくる。

そうそう、日本から出品されているアニメ映画もまずまずの評価を得ているようだ。

ところで、ローマでも10月に映画祭が始まるらしい。「ヴェネチア対ローマ、映画祭戦争がイタリアを二分」などという見出しが躍っていたりする。ヴェネチアはローマの動向に内心では戦々恐々としているようだ。はたしてこの新しい映画祭は映画を盛り上げてくれるのだろうか。