明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。




























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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

猿のいる映画館2


教育基本法改正案、なんだかきな臭い匂いがするね。なんなんだろうな、この流れは。

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イーストウッドの『父親たちの星条旗』をやっと見に行く。本当は梅田ピカデリー劇場の大スクリーンで見たかったのだが、スケジュールの都合で、先に『明日へのチケット』(必見です)をガーデンシネマで見、『父親たちの星条旗』は自宅の近くにある小さなシネコンで見ることになった。

公開されてからもうだいぶ立つので、いちばん大きなスクリーンのホールから小さなホールのほうへ回されてしまったあとのようだった。まあ、これは想定内のことだ。スクリーンは多少小さくなるけれど、初回の上映で見ると1300円で見ることができるというのは、コストパフォーマンス的にはなかなか魅力である。めずらしく早起きしていったのだが、上映がはじまるとすぐに音声が変なことに気づいた。プスプスというような雑音がはいり、声がもごもごとこもって聞こえる。そのうち直るだろうと思っていたら、10分たっても20分たっても同じ状態が続く。こういうときは係の人間に指摘しに行くべきなのだが、いつもそのタイミングに迷ってしまう。もう少し待てばよくなるんじゃないかと思っているうちにどんどん時間が過ぎてゆくのだ。外に出ているあいだに数シーン見逃すことになるのも悔しい。

というわけでぐずぐずしているあいだに30分近く過ぎてしまった。フィルムの問題だとすれば映写機がチェンジすれば直るかもしれないと思って見ていたのだが、注意力が散漫になっていたのでフィルム・チェンジがあったのかどうかもわからなくなった。不思議なもので、イメージも字幕もちゃんと見えていても、音が聞き取りづらいだけで話の流れはほとんどわからなくなってしまう。この状態で見ていても意味がないので、事情をいって入場料を返してもらおうと思い、出る準備を整えはじめていたときに、入り口のドアがなんどか開け閉めされる音が聞こえてきた。しばらくすると音声が正常なものに戻っていた。

結局、出るタイミングを失してしまい、そのまま見続けることになる。まともな状態で見られるようになってやっと、現在と過去が交錯しながら進んでいたことがわかった。しかし、ナレーションの声がだれなのかはもっと先になるまでわからなかった。出だしを見逃せば話がわからなくなるといった映画ではないので、流れがわかればあとは落ち着いて見ることができた。まあ、ギリギリセーフか。ピントもすこし甘い気がしたが、映写室に怒鳴り込むほどのものではない微妙なずれ方がよけいにもどかしかった。

それにしても最近の映画館はプロ意識がかけてるんじゃないだろうか。以前「猿のいる映画館」という文章で書いたので繰り返さないが、映画館では、館内が明るすぎる、音が出てない、サイズが間違っているなどはいうまでもなく、いろんな信じがたい珍事が起こる。前々からわたしは、各上映ごとにだれか係のものが、最低最初の5分ほどなかで上映状態を確認するようにすればいいのではないかと思っている。致命的な映写ミスの場合、たいてい最初からおかしいことがふつうだからだ。そうすれば、万が一のことがあっても、客に不愉快な思いをさせないですむ。本当は映写技師がすぐに気づけばいいのだが、フィルムをスタートさせてしまえばしばらく画面や音声をチェックしないことがあるのか、スクリーンがとんでもないことになっていても気づかないことがあるのだ。だから、もうひとり念のために館内でチェックさせるのである。ついでに、上映中にナイロン袋をがさがさいわせている客にもそれとなく注意してほしい。映画が「聞く」ものでもあることがわかっていない観客が多すぎて困る。

こうしたトラブルがあっても、じゃ最初からもう一度上映し直しましょうということにはたいていならない。文句をいったら開き直られることさえある。このときも、めんどくさいので、上映後なにもいわずに帰ろうとしたら、出口のところで、上映中不手際があったことを受付の女性がわび、招待券ですといって封筒を差し出された。中身を見てみると、今年いっぱいまで使える劇場招待券が一枚はいっていた。田舎の劇場なので、客が少なかったということもあるのだろうが(その回は5、6人しかはいっていなかった)、こういうトラブルで招待券をもらったのは初めてだ。招待券一枚で口止めされたともいえるが、まあ、トータルで見たら得をしたといえるかもしれない。

しかし、『硫黄島からの手紙』は別の劇場で見た方がやっぱり安全かと、いま思案しているところだ。この招待券は『Sad Movie』にでも使うことにするか。