明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

マネ、マネ、マネ〜ミシェル・フーコー『マネの絵画』


ラウール・ルイスのことを書いた数日後にピノチェトが亡くなるというのもすごい偶然である。イギリスで逮捕されて以来なにかと話題になってきたピノチェトだが、ついにくたばったというわけだ。相当ひどいこともやった男だったらしいが、こいつのおかげでラウール・ルイスというたぐいまれなる亡命作家が生まれたのだともいえる。そのことだけは感謝すべきかもしれない。

ミシェル・フーコー『マネの絵画』


ちくま文庫の「ミシェル・フーコー・コレクション」も『フーコー・ガイドブック』が最後にでて一応完結したようだ。その流れで、同じ筑摩からフーコーによるマネ論が出た。日本ではモネのほうが圧倒的に人気なのだろうが、美術史的にはマネのほうが断然重要な画家であるというのが定説ではないだろうか。これを読む前に、ゴダール「映画史」にも引用されているバタイユ『沈黙の絵画─マネ論』は当然読んでおくべきだろう。つでに、映画評論家としても知られるユセフ・イシャグプールの『現代芸術の出発―バタイユのマネ論をめぐって』も読んでおきたい(イシャグプールについてはここで紹介してある)。

ちなみに、タイトルはABBAのもじり(ABBAってパソコンでは正確に表記できないんだよね)。