ラウール・ルイスのことを書いた数日後にピノチェトが亡くなるというのもすごい偶然である。イギリスで逮捕されて以来なにかと話題になってきたピノチェトだが、ついにくたばったというわけだ。相当ひどいこともやった男だったらしいが、こいつのおかげでラウール・ルイスというたぐいまれなる亡命作家が生まれたのだともいえる。そのことだけは感謝すべきかもしれない。
ちくま文庫の「ミシェル・フーコー・コレクション」も『フーコー・ガイドブック』が最後にでて一応完結したようだ。その流れで、同じ筑摩からフーコーによるマネ論が出た。日本ではモネのほうが圧倒的に人気なのだろうが、美術史的にはマネのほうが断然重要な画家であるというのが定説ではないだろうか。これを読む前に、ゴダールの「映画史」にも引用されているバタイユの『沈黙の絵画─マネ論』は当然読んでおくべきだろう。つでに、映画評論家としても知られるユセフ・イシャグプールの『現代芸術の出発―バタイユのマネ論をめぐって』も読んでおきたい(イシャグプールについてはここで紹介してある)。
ちなみに、タイトルはABBAのもじり(ABBAってパソコンでは正確に表記できないんだよね)。