明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

MacBook を使ってみる(その2):接続し、転送せよ


>>MacMac のあいだを teleport する<<


この Teleport というソフトはほんとにすごい。マウスをディスプレイの端っこまで持っていくと、もう一方のディスプレイからマウスがぬっと現れるのを最初に見た瞬間には、思わず感動してしまった。これがあれば、一つのキーボードとマウスで二つのパソコンを自在に操ることができるのだ。

いけない、話を先走りすぎた。最初から順番に話すとしよう。


PowerMac G4 のパワー不足で MacBook を買ったわけだが、そこで問題になるのが、いままで使っていた G4 をどうするかということだ。いちばん簡単なのは、いわゆるターゲット・ディスク・モードで起動して G4 を MacBook のハードディスクにしてしまう方法である。いずれにせよ、MacBook をメインに使ってゆくならば、G4 のメールのデータなどを MacBook に移し替えなければいけない。というわけで、G4 のデータを手っ取り早く移行するために早速ターゲット・ディスク・モードを試してみる。初めての経験なので、どっちをターゲットにしたらいいのか一瞬とまどうが、別に難しい操作ではない。しかし、これは半分しか成功しなかった。ターゲット・ディスク・モードで起動すると、たしかに G4 のハードディスクが MacBook のデスクトップに現れたのだが、それは G4 に最初から内蔵されていたハードディスクの方で、後から増設した内蔵ハードディスクの方がマウントされないのである。こっちの方に大事なデータがいっぱいはいってるんだから、これでは使い物にならない。なにか解決策があったかもしれないが、すぐにターゲット・ディスク・モードはあきらめ、ほかの手を探る。


今度は Ethernet ポートどうしをつないで、MacBook と G4 でネットワークを作ってみることにした。ネットワークは大昔に一度挑戦したことがあるが、あれは OS9 の時代だった。やり方もすっかり忘れている。とりあえずポートどうしをつないでみたが、Finder のネットワークをクリックしてみてもなにも起こらない。ネットワークについては全然知識がないので、IP アドレスが間違っているのかもしれないとか、ファイアウォールの設定ミスかとか、ついつい難しい方に考えてしまい、しばらくどつぼにはまっていたが、環境設定でファイル共有を開始のボタンを押したら嘘のようにつながった。Finder でネットワークをクリックすると、G4 のマシンが現れ、あとは接続ボタンを押してパスワードを入れるだけ。G4 のボリュームが現れたら、ドラッグ&ドロップで好きなだけファイルをコピーすればいい。

待てよ。あれ、おかしいなと思ったのは、Mac どうしをつないでいた Ethernet の一端をはずして、インターネットをするために ADSLモデムにつないでいたことを思い出したからだ。MacBook と G4 はいま Ethernet ケーブルでつながっていない。じゃ、どうしていまこのふたつがネットワークで接続できてるんだ。そこで配線を確かめてみると、最初にターゲット・ディスク・モードで起動するときにつないでいた Firewire のケーブルがそのままになっていることを発見した。つまり、いま MacBook と G4 は Firewire を通してネットワークができているわけだ。ネットワークといえば Ethernet ケーブルでつなぐものと思いこんでいたので、Firewire でもネットワークが組めると知ったのは目から鱗だった。

こうしてネットワークの基礎の基礎をクリアすると、すぐに欲が出てくる。MacBook からネットワークを通して G4 の画面をコントロールしてみたい。実際問題として、二つの Mac を使い分けるとなると、これはどうしても必要となる。以前に書いたようにわたしが使っているディスプレイは入力が2系統あるので切り替えが可能だが、キーボードとマウスはひとつしかない。MacBook をリッドクローズド・モードで使い、そこにキーボードとマウスをつなげると、G4 を操作する必要があるたびに、いちいちキーボードを MacBook から G4 に付け替えないといけなくなって非常に不便だからだ。

最初は、下のようなケーブル一体型PC切替器を使う予定だった。

便利そうだが、機器どうしの相性があり、うまくいかないことも多いようだ。第一、見るからに無粋ななりをしている。ただでさえケーブルだらけなのに、これ以上ケーブルの数をふやしたくない。なんとかならんものかとネットで検索しているうちに、このブログで、ソフト的に2台のパソコンでキーボードとマウスを共有できるアプリケーションがあるということを知った。一方のディスプレイのマウスを画面の端っこにもっていくと、もう一方のディスプレイにマウスが現れ、そのまま二台目のパソコンが操作できるらしい。そんなことがほんとにできるのかと、早速確かめるために、そのSynergyというアプリを拾いにいく。なんと、そんなすごいことができるソフトなのにただで手にはいるのだ。これを使うと、Mac だけでなく Windows であれ Linux であれ、プラットフォームお構いなしに複数のパソコンを一つのキーボードとマウスで操作できるという。すごいと思ったが、Mac 専用のものではないから、Mac ライクなインストーラーはついていない。その分、素人には扱いがなかなか難しく、あれこれ格闘してみたが結局うまくいかなかった。

そこで思い出したのが、昔使ったことのある Timbuktu というソフトだ。これを使うと、ネットワークでつながっている Mac どうしの間で通信しあったり、ファイルを交換したり、一方の Mac でもう一方の Mac を監視したり、コントロールしたりすることができる。Timbuktu なら昔使ったことがあるし、うまくいきそうだ。早速試してみた。これもやっぱり最初はうまくいかない。使ったのは昔のことなのでやり方を忘れてしまっているし、OSX になって勝手が違っている。どうしてもうまく接続できない。細かいことを書くと長くなるので、簡単に話すと、ファイアウォール、ユーザの定義、TCP/IP Incoming access のチェック、などの設定ミスを順々にクリアしていき、どうにかこうにか MacBook から G4 を操作することに成功。しかし、やっとうまくいったものの、これが実に動作が重い。Timbuktu を使って MacBook から G4 をコントロールするには、MacBook のディスプレイのなかに現れる G4 の仮想ディスプレイ上で G4 を操るかたちになる。フルスクリーンにすれば、MacBook のディスプレイなのに、あたかも G4 のディスプレイを見ながら操作している感じになる。ただ、その動作がやたらに重いのだ。感じとしては、スピードの遅いマシンで VirtualPC を操作しているときの感じに似ている。ただマウスを動かすだけでも、動きがもっさりと感じられてしまう。これではちょっと実用的とはいえそうにない。

これも使えないなと思っていたときに見つけたのが、この Teleport というソフトなのである。基本的には、Synergy と同じような使い方をするソフトだと考えていいだろう。ただし、これは Mac 用のアプリなので、ありがたいことにインストーラがついている。使い方は至って簡単である。2台の Mac に Teleport をインストールし、環境設定パネルで両方の Teleport をアクティヴェート化し、コントロールしたい Mac の方で「Shared this Mac」にチェックを入れる。これで設定完了である、はずだったのだが、またしても最初はうまくいかない。どうも、G4 のほうの Teleport はネットワーク上の MacBook を認識して、受け入れているようなのだが、MacBook の側で Teleport を通して G4 に接続しようとすると接続を拒否されるようなのだ。設定はどちらのパソコンでも全く同じにしてあるはずなのにおかしい。さんざん悩んだあげく、ファイアウォールで開放するポートの番号をミスタイプしていたことが判明。結局、単純な入力ミスだった。

ようやく準備完了。早速試してみる。MacBook につないだ外付けキーボードからマウスを動かし、画面の右端に持っていくと(設定次第で左端にしたり、画面下にすることもできる)、画面の右端に赤い線が浮き出し、ディスプレイの中央に Teleport のロゴマークが現れ、転送が始まったことが知らされる。急いで、ディスプレイの入力を切り替え、G4 の画面に変えると、画面の左端からマウスが現れ、マウスを動かすにつれて確かにポインタが動くではないか。このときの驚きと感動は、実際にやってみた人にしかわからないだろう。わたしの場合は、一つのディスプレイの入力を切り替えるかたちになるのだが、二つのディスプレイを並べて、一方の画面からもう一方の画面にマウスがワープするのをみれば、もっと感動するに違いない。同じようなパソコン環境の人は是非試してみてほしい。

さて、その操作感だが、MacBook につながったキーボードとマウスで G4 を操作しているにもかかわらず、全く違和感がないのが不思議だ。下手をするとキーボードがどっちにつながっているのかわからなくなるぐらい、快適な動作である。これなら全く問題なく、一台のキーボードとマウスで2台のパソコンを操作することができる。すばらしい。


問題点としては、ごくたまにだが動作が不安定になることと、あとは、ロゴがいまいちかっこよくないこと。それぐらいである。ドラッグ&ドロップによるディスプレイ間のコピーが可能だということだが、何度か試してみたものの、そのたびに Teleport がクラッシュしてうまくいかなかった。わたしの操作ミスなのか、それとも Teleport がまだ安定していないのか、よくわからない。いずれにせよ、コピーは Finder のネットワークを通して行った方がいいようだ。

こんなすごいことができるのに、これもやっぱりただで手に入るフリーソフトだというのが驚きだ。下記のサイトで手に入れることができる。インストールの要領もそこに書いてある。実に簡単なので、わたしのように設定でちょんぼしなければほとんど5分で使えるようになるはずだ。

http://abyssoft.com/software/teleport/


(こんなことばっかりやってたので、すっかり更新を忘れてました。その分いま一生懸命書いてます。次回は、Boot Camp について書く予定。)