MacBook を使い始めると同時に Boot Camp で WindowsXP 用のドライブを作り、Parallels Desktop も導入し、必要な Win アプリもだいたいインストールし終わり、Windows 環境はほぼ整っていたのだが、最近になってまたしても Boot Camp をインストールし直してしまった。それというのも、英語版 Parallels の最新ヴァージョンが出たからだ。
これは Parallels を購入して登録しているユーザならばだれでも入手できる無償ヴァージョンアップなのだが、タダだと思ってなめてはいけない。わたしにいわせれば、この最新ヴァージョンではほとんど革命的といってもいい改良がなされているのだ。Windows 上のアプリを OSX で動いているように見せるとかいう Coherence が気になる人もいるだろうが(わたしはまだまったく試していない)、なんといっても今回の Parallels の最大の目玉は、Boot Camp 用のボリュームを Parallels から起動できるようになったことだ。
わたしの場合、Win 版しかないアプリやゲームを動かすときか、Windows でしか読めないファイルを開くときぐらいしか Windows 環境は必要ないので、ほとんどのことは Parallels で事足りる。Boot Camp を使うのはたまに 3D のゲームをするときぐらいだ。そんなことのために十数ギガもハードディスクのスペースを奪われるのはたまらないなと思っていたところだった。Parallels から Boot Camp のボリュームを使えるとなれば、Parallels 用のボリュームと Boot Camp 用のボリュームを一つに統一することができる。これは非常に便利だ。
早速、本当に使えるのかどうか試してみた。Parallels を立ち上げ、設定画面から "Use Boot Camp" を選び、起動する。初回の起動時には、Parallels が Boot Camp 用の設定を行うので少し時間がかかる。それが終わると、見事に Windows の画面が立ち上がった。ソフトも問題なく動く。動作は非常に安定しているし、なによりも Boot Camp のボリュームに簡単にアクセスできるのがよい。この最新ヴァージョンから、Virtual PC ではおなじみだった Mac と Win のあいだでのドラッグ&ペーストもサポートされるようになったことも重要な変化だ。これでファイルの移動が実に容易になった。
もちろん問題はいくつかある。一番大きな問題は、Parallels と Boot Camp を交互に起動するたびに Windows がアクティヴェーションを要求してくることだ。しかし、これについてはいくつかの解決策が Web 上で公開されているのでそれを参考にすれば何とかなるだろう。あと、面倒くさいのは、Boot Camp のボリュームを使っているときは、Parallels を "Suspend" の状態にできないことだ。それをすると Boot Camp のデータに障害が出る可能性があるらしい。だからいちいち Windows を終了させなければならないのである。これが結構煩わしい(実は、一度まちがって "Suspend" してしまったのだが、そのあとで Boot Camp を起動してみたとき特にこれといった不具合はみられなかった)。ボリュームのバックアップも以前のようには簡単にいかないようだ。コピーキャット4Xというソフトを使えば、Boot Camp を起動ボリュームとしてバックアップできるらしいが、まだ試していない。
さて、そんなわけで、これまで15ギガしか割り当てていなかった Boot Camp のボリュームに、45メガのパーティションをあらたに割り当てて、WindowsXP を一から入れ直したのである。これが結構大変だった。ハードディスクの空きは80ギガ以上あるのに、ディスクが断片化しているせいか、45ギガのパーティションがどうしても割り当てられず、結局、ディスク全体を初期化して、OSX を再インストールするところから始めてしまった。この辺のことを書いていると話が長くなるのでやめにしよう。とにかく、いまは非常に快適な状態で Win と Mac の共有ができている。これで、Parallels が 3D に対応してくれると完璧なのだが、そうなると Boot Camp は完全にいらなくなってしまうかもしれない。
(写真は Parallels の日本版。ヴァージョンを表すのに使われている "Build ****" というのがいまだによくわからない。英語版の前ヴァージョンは "Build 1970" だった。この日本版はたしか "Build 1984" のはずである。英語版の最新ヴァージョンは "Build 3150" といきなり数字が飛んで、未来の世紀になっているのだが、いったいこれはなんなんだろう。とにかく、すごいスピードで進化しているソフトであることに間違いはない)