[「ろくでなし」から「鏡の女たち」へと至る43年間もの歳月を通じて、ひたすら無時間性に徹することで、そのつど鮮やかに歴史を露呈させてみせる吉田喜重。映画だけに許されたフィクションを、いま生の倫理として綴る。 ]
澤井信一郎の映画術。
この人の文章は正直いってわたしにはわかりづらいのだが、なぜか読ませる。混乱しつつも、思考していることがわかるからだ。
[不可能性を超えて、事件を炸裂させる〈力〉。バルト、ドゥルーズ、デリダ、フーコーそしてフローベール。「批評」は他者の言説の中でまどろむ記号に触れ、それを目覚めさせることから始まる。読むことで潜在的なものは顕在化しその覚醒によって他者の言説へと変容する。待望の「批評」論集。]
サルトルによる記念碑的なフローベール論の蓮實重彦らによる翻訳。一瞬文庫化したのかと思ったら違った。1巻目が出始めたのはもう20年以上前。それにしても息が長い。長すぎる。(値段は見間違いではありません)
一川周史『初学者も専門家も名詞に弱くてはフランス語はわからない―ニュースや古典で徹底解説 』
[『わからないシリーズ』決定的第三弾!フランス語の完全理解と文化・教養編。顔は visage? figure?、雰囲気は atmosphère? ambiance?、回転は tour? rotation?日本語で捉えきれない多数の名詞とその背景の文化が始めてわかる。著者発掘の辛辣、軽妙にして深遠な用例満載、全文日本語訳付で一般向きの各文・警句集ともなる。 ]
この人が書いたこのシリーズの一冊『初学者も専門家も新・冠詞抜きでフランス語はわからない 』は、フランス語を極めようと思っているものにとって、必読の書である。冠詞は文法の授業で最初に習う品詞だが、実はこれほど難しいものはないのだ。「定冠詞と不定冠詞のちがいぐらいわかる、部分冠詞だって知ってるもん」と高をくくっている初心者は、この本を読んで冠詞の奥の深さを知り、一度絶望してみることをおすすめする。