今朝から一度もお日様を見ていない。もう8時になるのにあたりは薄暗く、細かい雨がしとしとと降り続いている。まったく、朝から気が滅入るぜ。
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朝といえば、最近、P・D・ジェイムズの An Unsuitable Job for a Woman(『女には向かない職業』)を読みはじめた。
週に一冊ぐらいはペーパーバックを読もうと心がけているのだが、なにやかやと用事があってなかなか読む時間がない。ブンガクばかり読んでいると疲れる。あまりストレスを感じずに読めるものとなると、結局ミステリーになってしまう。というわけで、今回は P・D・ジェームズだ。
実は、ジェームズを読むのはこれがはじめてである。アメリカの作家だと思っていたが、冒頭、ベイカールー線(ベイカーストリートとウォータールーをつなぐロンドンの地下鉄)が出てくるところで、イギリス作家だったことに気づく。探偵事務所のパートナーがある朝自殺してしまい、ひとりで事務所をつづけることを決意した女探偵コーディリア・グレイの前に、ひとりの女が依頼に訪れるところから物語ははじまる。こういう場合、この女が事件の真相に深く関わっていたことが最後にわかるというパターンが多かったりするのだが、どうだろう。まだ50ページも読んでいないが、この古典的な始まり方からもわかるように、ちゃらちゃらしたところのない非常に本格的な探偵小説になっているようだ。
ジェームズは探偵小説以外の作品も書いている。先頃公開されたSF映画『トゥモロー・ワールド』の原作は、ジェームズの The Children of Men(『人類の子供たち』)だった。もっとも、原作と映画はほとんど別物らしい。絶版になっていたが、映画公開にあわせて『トゥモロー・ワールド』というタイトルで再版されている。