明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

新作DVD〜『アストレとセラドン 我が至上の愛』『果てなき船路』など


大統領選挙後の混乱のイラクから遠く離れたイタリアで、アッバス・キアロスタミジュリエット・ビノシュ主演の映画を撮っているという話を聞いたときは驚いたが、今は一刻も早く見たくてしようがない。


さて、約1ヶ月ぶりに、日本の新作 DVD を紹介する。別にたいしたものはない(たいしたものはないというのは、全部見ているものばかりで、驚くようなものは出ていないという意味だ)。


エーリッヒ・フォン・シュトロハイム『愚かなる妻 クリティカル・エディション』


河瀬直美『につつまれて/きゃからばあ』


ジャン・ルノワール『ジャン・ルノワールの小劇場 』『恋多き女』『ラ・マルセイエーズ』『素晴らしき放浪者』『牝犬』


ルイス・ブニュエル『ロビンソン漂流記』『それを暁と呼ぶ』


『それを暁と呼ぶ』を久しぶりに見直していて、タイトルの "Cela s'appelle l'aurore" という言葉は、たしか最後に執事がつぶやくんだよなと思ってみていると、そんな場面はなく、そうだ、あれはゴダールが『カルメンという女』で勝手に引用していたのだったと思い出す。それにしても美しいタイトルだ。ブニュエルらしくない物語ともいえるが、電柱のキリストや、祖父にいたずらされる少女など、彼らしい主題は随所に登場する。ブニュエルのお気に入りの作品だったらしいが、わたしもこの映画が大好きだ。どうでもいいが、ルチア・ボゼという名前は、わたしにとって、一時期、神話的な名前だった(ただたんに、名前の響きに惹かれただけで、別に好きな女優というわけではないのだが)。


ジョン・フォード『果てなき船路』

ダルデンヌ兄弟『ロルナの祈り』


エリック・ロメール『アストレとセラドン 我が至上の愛』


そういえば、ブニュエルは、若きロメールのことを「ファシスト」と呼んでいたのだった。