マルセル・レルビエ『Coffret Marcel L'herbier : Eldorado ; L'homme du large』
手元にあるフランスの映画ガイドには "Série B intéressante seulement par la signature de Fleischer" とある。まあ、そういうことだ。大して評価が高い作品でもないのに、フライシャーという名前だけで、日本のシネフィルにも見てもらえる。
フライシャーにくらべると、このイタリア喜劇の巨匠の日本における扱いはあまりにも不当だ。代表作の多くは公開すらされていないし、今では名前もほとんど忘れられているといっていい。別に、マリオ・モニチェリが偉大な監督だと言うつもりはないけれど、イタリア喜劇の最高傑作のひとつと言われるこの作品すら公開されていないってのは、どうなんですかねぇ。
これはドジな連中による強盗計画の一部始終を描いたいかにもモニチェリらしいコメディ。Criterion からも "Big Deal on Madonna Street" のタイトルで DVD が出ている。
ちなみに、蓮實重彦はモニチェリの『ちゃちなブルジョア』をとあるベストテンに選んでいる。興味がわきましたか。
マリオ・モニチェリ『戦争・はだかの兵隊』La grande guerra
ちっぽけな人間たちの姑息な生き様が描かれているのはいつものモニチェリだが、ラストのあっけない処刑シーンには、他の彼の作品にはない生々しさがある。
リカルド・フレーダ/マリオ・バーヴァ『Les vampires』
これ見たいんだけど、たぶん大したことないんだろうなぁ。そんな気がする。マリオ・バーヴァが撮影を担当。
ジョゼフ・ペヴニー『千の顔を持つ男』
ロン・チャーニーの生涯を描いた伝記映画。そんなたいした映画でもないけれど、映画の世界が描かれているというだけで興味深い。
ジャック・ドワイヨン『Jacques Doillon : coffret 7 DVD』
「カイエ」での評価は高かった。日本で公開されるんだろうか。
(「カイエ」で思い出したが、編集長がいつの間にかミシェル・フロドンからステファーヌ・ドロルムに変わっていた。)