明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

新作DVD〜『メトロポリス 完全復元版』『海の沈黙』ほか


タランティーノが審査員長をつとめたヴェネチア映画祭の金獅子賞はソフィア・コッポラの『Somewhere(原題)』でした。

ちょうど同じ頃、クロード・シャブロルが80才で亡くなりました。死因は不明。『石の微笑』など、最近になっても非常にレベルの高い作品を撮っていたので、残念です。ちなみに、ここでも何度か言及した、「カイエ」による2000年代最初の10年間に撮られた映画ベストテンには、「カイエ」編集部のほかにさまざまな監督・批評家が参加しているのですが、そのなかで蓮實重彦黒沢清がシャブロルの『石の微笑』を選んでいました。ほかにシャブロルを選んでいる人はほとんどいなかったと思うので、ひょっとしたら、映画監督としてはフランスよりも日本でのほうが評価が高かったのかもしれません(フランス人に愛された監督であったことは間違いありませんが)。

『メトロポリス 完全復元版』  (Blu-ray Disc


メトロポリス』の欠落部分がアルゼンチンで発見されたことについては、以前にもここで軽くふれた。その部分を補った全長版がたしかベルリン映画祭で上映されたのはついこないだのことだったような気がするが、そのブルーレイ版が早くも日本で発売される。発見された部分のフィルムの保存状態はたぶんそれほど良くないと思う。しかし、その欠落部分は30分近くに及ぶというから、なにが映っているのか想像するだけでわくわくする。


『黒沢 清監督 推薦 死体を売る男』『黒沢 清監督 推薦 私はゾンビと歩いた!』『黒沢 清監督 推薦 キャット・ピープルの呪い』『黒沢 清監督 推薦 レオパルドマン 豹男』『黒沢 清監督 推薦 恐怖の精神病院』



すべて再パッケージもの。全部「黒沢清推薦」となっているのがめざわりですが、これは販売会社の知恵を尽くした戦略です。

フィル・カールソン『消された証人』

ニコラス・レイ『暗黒への転落』

ジョン・クロムウェル『大いなる別れ』

オーソン・ウェルズ『上海から来た女』


これも再パッケージもの。

『アメリカ時代のフリッツ・ラングDVD-BOX2』

『外套と短剣』『恐怖省』『ビッグヒート 復讐は俺に任せろ』

キャロル・リード『最後の突撃』

アナトール・リトヴァク『暁前の決断』

ジョセフ・L・マンキーウィッツ『去年の夏、突然に』

イングマール・ベルイマン『ファニーとアレクサンデル オリジナル版 HDマスター』 [Blu-ray]


短縮された劇場版ではなく、オリジナル全長版。IVCだが、HDマスター、しかもブルーレイということで、今回は、まともな画質であることを信じたい。わたしは、劇場版とオリジナル版を両方収めた5枚組の Criterion 版を持っているので、パス(ちなみに、IVC版は2枚組)。

ブルーレイ版もあり。


アレクサンドル・ソクーロフ『痛ましき無関心』


ジャン=ピエール・メルヴィル『海の沈黙 HDニューマスター版』


『ダリオ・アルジェント魔女3部作ブルーレイBOX』(初回限定生産) [Blu-ray]


『ハーツ・アンド・マインズ ベトナム戦争の真実』

マキノ雅弘『侠骨一代』『日本侠客伝 白刃の盃』



わたしが気づかないあいだに、マキノは他にもいろいろ出ている模様。

中島貞夫『暴力金脈』『尼寺マル秘物語』『まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯』『唐獅子警察』『実録外伝 大阪電撃作戦』『暴動島根刑務所』



『暴力金脈』をはじめ、初ソフト化多数(のはず)。

小沼勝『妻三人 狂乱の夜』


初ソフト化。


北野武『アウトレイジ』


清水崇、山口雄大『SOIL~完全版~』


カネコアツシ『SOIL』というマンガについては、気が向いたらいつか紹介するつもりでいたのだが、つい書きそびれてしまった。ソイルと呼ばれる平凡なニュータウンで、ある日、一家が忽然と姿を消し、現場に謎の塩柱が残されるというミステリアスな導入部にはじまって、次々と謎めいた事件が起きてゆく。だれかが書いていたが、たしかに『ツイン・ピークス』を思い出させるところも少なくない。独特のアメコミふうの絵が印象深く、どこか日本離れしているところもあるマンガである。セリフをそのまま翻訳するだけで、海外でも十分通用しそうだ。ひょっとしたら、ハリウッドで映画化ということもあるかもしれない、などとぼんやり考えたこともあったが、それがいつの間にか日本でドラマ化されていたらしい。監督は清水崇