すべてフランス版。
フランク・ボザージ(フランク・ボーゼージ)の4作品を収録した DVD-BOX が発売される。『幸運の星』、『第七天国』、『街の天使』、それになんとあの幻の傑作『河』が入っているではないか。パリのシネマテークで『河』を見たときのことは忘れがたい。
女がひとりで山小屋のような家に住んでいる。そこに、山から木こりが下りてくる。木こりは女を好きになるが、女には、今は刑務所に入っている夫だか恋人だかがいる。木こりは女に対する思いを募らせていく。やがてその思いを抑えられなくなった木こりが、なにをするかと思ったら、上半身裸で表に出て、庭の木を狂ったように斧で切り始めるのだ。ボザージの映画としては、あるいは同時代のアメリカ映画としても、例外的なほどのエロティシズムがたちこめる傑作だ。
長い間、フィルムが失われてしまったと思われていた作品である。残念ながら、今も完全な形では見られないはず。
ブルーレイも同時発売。
『Lucky star - l'idole』 [Blu-ray]
『L'heure suprême』(『第七天国』) [Blu-ray]
『L'ange de la rue』 (『街の天使』)[Blu-ray]
別れ別れになった恋人同士が、堤防にそって反対方向から歩いてきて出会うまでをクロス・カッティングで描いた場面では、久しぶりに見ていて心臓が止まりそうになった。
スティーヴ・セクリー『Le Balafré』(『The Scar』)
フランスのシネフィルには評価の高いB級ギャング映画。見ていないのだが、ギャングが他人の顔を奪ってそいつになりすまそうとするが、顔の傷をつける場所を間違ってしまうという話だけ聞くと、コメディにしか思えない。ジョン・アルトンが撮影を手がけている。
マックス・オフュルス『Les désemparés』(『無謀な瞬間』)
モーリス・トゥルヌール『La main du diable』
ネルヴァルの原作を元に、ジャン=ポール・ル・シャノワが自由に脚色し、モーリス・トゥルヌールが監督した、フランス映画史に残るファンタジー映画といわれている(見てないので、どれほどの映画なのかは何ともいえない)。