明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

フランク・ボザージ DVD-BOX ほか

すべてフランス版。

『Coffret frank borzage』


フランク・ボザージ(フランク・ボーゼージ)の4作品を収録した DVD-BOX が発売される。『幸運の星』、『第七天国』、『街の天使』、それになんとあの幻の傑作『河』が入っているではないか。パリのシネマテークで『河』を見たときのことは忘れがたい。

女がひとりで山小屋のような家に住んでいる。そこに、山から木こりが下りてくる。木こりは女を好きになるが、女には、今は刑務所に入っている夫だか恋人だかがいる。木こりは女に対する思いを募らせていく。やがてその思いを抑えられなくなった木こりが、なにをするかと思ったら、上半身裸で表に出て、庭の木を狂ったように斧で切り始めるのだ。ボザージの映画としては、あるいは同時代のアメリカ映画としても、例外的なほどのエロティシズムがたちこめる傑作だ。

長い間、フィルムが失われてしまったと思われていた作品である。残念ながら、今も完全な形では見られないはず。




ブルーレイも同時発売。

『Lucky star - l'idole』 [Blu-ray]



『L'heure suprême』(『第七天国』) [Blu-ray]



『L'ange de la rue』 (『街の天使』)[Blu-ray]


別れ別れになった恋人同士が、堤防にそって反対方向から歩いてきて出会うまでをクロス・カッティングで描いた場面では、久しぶりに見ていて心臓が止まりそうになった。


スティーヴ・セクリー『Le Balafré』(『The Scar』)


フランスのシネフィルには評価の高いB級ギャング映画。見ていないのだが、ギャングが他人の顔を奪ってそいつになりすまそうとするが、顔の傷をつける場所を間違ってしまうという話だけ聞くと、コメディにしか思えない。ジョン・アルトンが撮影を手がけている。


ルーベン・マムーリアン『Tonight or Never』


マックス・オフュルス『Les désemparés』(『無謀な瞬間』)


モーリス・トゥルヌール『La main du diable』


ネルヴァルの原作を元に、ジャン=ポール・ル・シャノワが自由に脚色し、モーリス・トゥルヌールが監督した、フランス映画史に残るファンタジー映画といわれている(見てないので、どれほどの映画なのかは何ともいえない)。