明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

新作DVD——『サッシャ・ギトリ 傑作選 Blu-ray BOX』『七番目の道連れ』『決闘コマンチ砦』ほか

バッド・ベティカー『決闘コマンチ砦』 [DVD]、『反撃の銃弾』 [DVD]

「聡明なるバッド・ベティカーの西部劇の決闘シーンが与える呆気なさ。それはまさしく、映画が視線を映しえないという映画自身の限界が露呈された瞬間の戸惑いといったものだ。誰も、交錯する視線そのものを目にしたものがいないように、瞬間に行きかう銃弾を見たものなどもいないのである。あたかもそうした映画の無効性をきわだたせるかのように、バッド・ベティカーは、儀式としての決闘を、敵の視線から姿を隠すことのできない裸の空間に設定する」〔蓮實重彦


バッド・ベティカーランドルフ・スコットと組んで撮った一連の西部劇(いわゆる「ラナウン・サイクル」)は、彼の全作品の中でももっとも充実した作品群をなしている。これはその中のほんの2本にすぎないが、これにつづけて、『七人の無頼漢』を始めとする傑作の数々がソフト化されることを望む。

もっとも、アメリカでは10年も前にすでに「ラナウン・サイクル」の全作品が DVD-BOX の形で発売されているので、それを持っている人には、何を今さらという気がしないでもない。できればブルーレイで出してほしかったと思うのだが、まあ DVD が出ただけでも奇跡と思うべきか。


クロード・シャブロル監督『クロード・シャブロル初期傑作集 Blu-rayセット』 (『いとこ同志』『美しきセルジュ』収録)《初回限定生産》

『美しきセルジュ』 HDマスター [DVD]、『美しきセルジュ』 Blu-ray『いとこ同志』 Blu-ray


ヴァレリアン・ボロヴツィク『インモラル物語【ヘア無修正】HDリマスター版』 [DVD]、『邪淫の館 獣人【ヘア無修正】HDリマスター版』 [DVD]


アレクサンダー・マッケンドリック『マダムと泥棒』 [DVD]


一人暮らしのおばあさんの家に、強盗団が弦楽五重奏のミュージシャンを装って下宿する。イーリング・コメディの最高傑作の1つ。


『世界の推理小説 傑作映画 DVD-BOX Vol.2』


『黄色の部屋』(マルセル・レルビエ)、『モンパルナスの夜』(ジュリアン・デュヴィヴィエ)、『墓地への侵入者』『戦慄の調べ』(ジョン・ブラーム)、『ナイチンゲール荘』の5作品収録。


『アレクセイ・ゲルマン コンプリートDVD-BOX』(初回限定生産)


『七番目の道づれ』 [DVD]と『神々のたそがれ』をくわえた完全版BOX。


ヴィットリオ・デ・シーカ『ウンベルトD』 Blu-ray


『サッシャ・ギトリ 傑作選 Blu-ray BOX』(初回限定生産)、『サッシャ・ギトリ 傑作選 DVD BOX』(初回限定生産)

夢を見ましょう』(36)、『デジレ』(37)、『カドリーユ』(38) の3作品を収録。

最初見たときはオッと思ったのだが、『夢を見ましょう』以外は何年も前にクライテリオンから出た BOX にはいっていた作品ばかりで、微妙と言えば微妙。しかし、まさかギトリがこういうかたちで日本で発売されるとは思っていなかったので、嬉しい。これに続いてほしい。