明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。



























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神戸映画資料館でわたしが行っている連続講座「20世紀傑作映画再(発)見」の第7回は、ロベルト・ロッセリーニの『無防備都市』に決まりました。

2019年7月7日(日)
連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見
第7回「ネオリアリズムから遠く離れて──『無防備都市』再考」
詳細

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

『桃太郎 海の神兵』

瀬尾光世『桃太郎 海の神兵』★★

終戦直前に撮られた国策アニメ映画。キャラクターが全部動物の姿で描かれる中、ただひとり人間の格好をした桃太郎が、仲間たちを連れて飛行機で東南アジアらしき土地にやってきて、戦闘訓練をする傍ら、現地の動物たちに文字を教えたりする(これは侵略戦争ではなく、民族開放のための戦いなのだ)。やがて彼らは玉砕覚悟で戦線に赴くのだが、無論、子供の観客を想定したこのアニメでは、「玉砕」というあからさまな言葉は使われないし、結局、敵も含めて誰ひとり死ぬものはいない。内容はともかく、アニメの完成度としては、動画の動きの滑らかさやダイナミズムなど、同時代のディズニーのアニメと比べても遜色ないどころか、むしろ優れているようにさえ思える。

フライシャー兄弟が戦時中に撮った「ポパイ」の一編で、ポパイが海兵として参戦し、全員メガネを掛けた出っ歯の日本人たち(当時、日本人を侮蔑的に描くときのクリシェ)と戦うアニメがあるが、あれと同時上映すれば面白いかもしれないなどと考えながら見ていたら、最後に降伏する米兵たちの中にほんとにポパイが混じっていたので、思わず笑ってしまった。