明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。





























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神戸映画資料館でわたしが行っている「連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見」の詳細が決まりました。

「連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見 第8回 パプストとブルックス──『パンドラの箱』を読み解く」 2019年12月22日(日) 詳細はここで。
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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

Dinu Cocea『Haiducii』、マルトン・ケレチ『伍長とその他の者たち』

Dinu Cocea『無法者たち』(Haiducii, 1966) ★★


これも『ヴラド・ツェペシュ』と同じくワラキアを舞台にしたルーマニア映画。描かれる時代は『ヴラド・ツェペシュ』と違って18世紀だが、やはり国はオスマントルコ帝国の存在に苦しめられている。そこに、サルブとアムサという義兄弟の義賊が現れ、金持ちから奪った金銀財宝を貧しい者たちにばらまき始め、民衆の喝采を浴びる。しかし、金に執着する弟とのあいだに確執が生まれ、リーダーである兄は裏切られて警察に捕まってしまう。兄が牢屋に入っている間に、弟は兄の恋人を奪って自分のものにしてしまうのだが、やがて脱獄した兄は二人に復讐を誓う……。


たぶん、ヘンリー・キングジェシー・ジェームズを描いた『地獄への道』あたりが下敷きになっているのではないかと思うのだが(「アウトローたち」を意味する "Haiducii" というタイトルを見るにつけても、西部劇を意識しているのではないか)、国定忠治だって似たような物語を提供しているし、どこの国にもある物語でもある。


マルトン・ケレチ『伍長とその他の者たち』(A tizedes meg a többiek, 1965) ★★


ハンガリー映画


第二次世界大戦中、密かにためていた金を胸にぶら下げた手榴弾のなかに隠し、オートバイに乗って突如脱走を企てた伍長が、空き家だと思って入り込んだ一軒家の館には、シニカルな執事と、彼同様に戦場を逃げ出した者たちが潜んでいた。一癖も二癖もある彼ら(その他の者たち)とともに、伍長はその館の住人になりすまし、ナチやロシア兵が代るがわる闖入してくるたびに、身を隠し、演技をし、なんとか切り抜ける……。


ナチス・ドイツの次はソ連というぐあいに、いつも他国によって蹂躙されてきたハンガリーの状況を風刺した戦争コメディ。IMDb では 8.6 という驚くべきハイスコアがつけられているハンガリーの国民的人気映画であるが、一般にはほとんど知られていない。