フランス映画を再発掘する
神戸映画資料館の連続講座「ジャン・ルノワール『素晴らしき放浪者』編」があと一ヶ月もないところまで近づいてきたので、しばらくはフランス映画の話題が増えると思う。 ジュリアン・デュヴィヴィエ『モンパルナスの夜』(La tête d'un homme, 32) ★★½ジョル…
アンリ・ドコワン『家の中の見知らぬもの』★★ 『十字路の夜』、『パニック』、そしてこのドコワンの『家の中の見知らぬもの』と『La vérité sur Bébé Donge』……。そのうち、「ジョルジュ・シムノンとフランス映画」という本が書かれねばならないだろう。この…
「もしも私が建築家で、映画のモニュメントを建てることになったなら、入り口にはデュヴィヴィエの銅像を置くだろう」ジャン・ルノワール ジュリアン・デュヴィヴィエ『殺意の瞬間』(Voici le temps des assassins*1, 1956) ★★ 第二次大戦を機にアメリカに渡っ…
「フランス映画の墓堀人」と呼ばれた批評家時代のフランソワ・トリュフォーが「フランス映画のある種の傾向」と題された記事のなかでドラノワやオータン=ララといった巨匠たちを痛烈に批判し、結果的に、彼らを半ば葬り去ってしまったことはよく知られてい…