明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。












































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延期されていた神戸映画資料館での講座の日程が決まりました。

6月12日 神戸映画資料館
「連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見
第11回 殺人者はわれわれの中に──フリッツ・ラング『M』を読み解く」
詳細

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

シネロマン

ハワード・A・ロドマン『運命特急』──1933年、ベルリンのフリッツ・ラング

「ラングの足は、手同様とても大きく、背筋をまっすぐ伸ばして歩く姿は軍人のようだった。試写が始まってからずっと、彼はそうしてここで外国製の粗末な煙草を吸っては投げ捨て自分の影がいくつも周囲で揺れ動くさまを眺めていた。廊下を行き来するたびに、…

コニー・ウィリス『リメイク』──フレッド・アステアと踊る

SF小説、とりわけ未来世界を舞台にしたSFでいささか苦手だと思うのは、その独自の世界観に馴染むまで、というか、そこに描かれている世界を多少とも信じることができるようになるまでにどうしても時間がかかってしまうところだ。時間が逆行しているとか、…

キプリング「ミセス・バサースト」と創成期における映画=小説

創成期の映画が同時代の文学にどのような影響を与えたのかについては、すでにいろいろ研究されているにちがいない(ちなみに、ここで「創成期の映画」というのは、サイレント映画がその洗練を極める以前、1910年初頭あたりまでに撮られた「プリミティブ」と…

ホレス・マッコイ『I Should Have Stayed Home』

広い意味で映画をテーマにした小説を〈シネロマン〉というカテゴリーで紹介していくことにした。これまでにアップした記事の中で該当するものも、このカテゴリーに新たに分類し直してある。 −−− ホレス・マッコイ『I Should Have Stayed Home』(38) 大恐慌時…

ナサニエル・ウエスト『いなごの日』――グロテスクに描かれる夢の墓場=ハリウッド

ナサニエル・ウエスト『いなごの日』 フィッツジェラルドやフォークナーなどと同様、ハリウッドで映画の脚本を書いていたこともある*1小説家、ナサニエル・ウエストがその頃の体験をもとに書き上げた代表作『いなごの日』。意外と読んでいなかったので、時間…

スティーヴ・エリクソン『ゼロヴィル』――映画は世界の始まりから存在している

"I believe that cinema was here from the beginning of the world."Josef von Sternberg Everybody say, "Is he all right?" And everybody say, "What's he like?" Everybody say, "He sure look funny." That's...Montgomery Clift, honey!The Crash "Th…

エリック・フォトリノ『光の子供』──映画のキスから生まれた子供の物語

「私は自分の生まれについてほとんど何も知らない。パリで生まれたことは知っているが、母は誰かわからず、父はただひたすら女優のスナップを撮り続けていた。そして息を引き取る少し前、私が映画のキスから生まれたことを打ち明けた。」 冒頭2ページ目に現…

辻原登『寂しい丘で狩りをする』

今年からはブログをもっとちゃんと更新しようと思っていたのだが、1月もすでに3分の2が過ぎてしまった。小ネタでいいから、今月の残り、毎日更新するつもりでやっていこう。 辻原登『寂しい丘で狩りをする』 一昨年ぐらいに、映画ファンのあいだで話題に…

デルモア・シュワルツ『夢の中で責任がはじまる』

Delmore Schwartz, In Dreams Begin Responsibilities and Other Stories とりあえず、表題作の "In Dreams Begin Responsibilities" を読む。自分の父と母が結婚する前(つまりは自分が生まれる前)のある日の光景を、語り手が、夢でも見るように映画館で見…