明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。










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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

余白の映画史

ディーヴァ誕生――マリオ・カゼリーニ『されどわが愛は死なず』

マリオ・カゼリーニ『されどわが愛は死なず』(Ma l’amor mio non muore!, 1913) ★★★ 第一次大戦前のイタリア映画は、ハリウッドにさえ負けていないどころか、その先をいっていた。アメリカ映画がまだ一巻ものの作品ばかりを作っていたとき、イタリアでは数巻…

イディッシュ語映画を見る――マイケル・ワジンスキ『ディブック』

マイケル・ワジンスキ『ディブック』(The Dybbuk, Der Dibuk, 1938) ★★★ ロシアの作家S・アンスキが書いた同名の戯曲を、ポーランドの監督のマイケル・ワジンスキ(という読み方でいいのか? Michal Waszynski)が映画化した幻想的作品。 ジョゼフ・グリー…

ブニュエルがリーフェンシュタールの『意志の勝利』を再編集する――幻のプロパガンダ映画についての覚書

1939年、ブニュエルは、妻と息子を連れて、内乱のスペインからハリウッドに向かう。スペイン内乱を描く映画の監修を依頼されたからだった。しかし、いざ仕事に取り掛かろうとした矢先に、ワシントンから指令が届く。全米製作者協会も、アメリカ政府も、共和…

マリオ・ソルダーティとカリグラフ派についての短い覚書

「カリグラフィスム」(イタリア語で「カリグラフィスモ」、あるいは「チネマ・カリグラフィスタ」)は、1940年代前半にイタリアで制作された映画作品について使われる言葉で、この時代の「映画の流派(傾向)」のひとつ。複雑な表現、文学作品を原作として…

『スペードの女王』とソロルド・ディキンソンについての覚書――イギリス映画の密かな愉しみ2

ソロルド・ディキンソン『スペードの女王』(The Queen of Spades, 49) ★★★ 『Rocking Horse Winner』もなかなかの拾い物であったが、この『スペードの女王』は文字通りの傑作であったといっておこう。これも小説を映画化した原作ものであるが、とにかく出来…

レオ・マッケリー『マイ・サン・ジョン/赤い疑惑』――反共プロパガンダ映画の臨界点

レオ・マッケリー『マイ・サン・ジョン/赤い疑惑』(My Son John, 52) ★★ これはいろんな意味ですごい映画だ。レオ・マッケリーにさえこのような映画を撮らせてしまったとは、1950年代のハリウッドというのはなんと暗澹たる時代だったのだろう。 1940年代の…

レオンス・ペレについての覚書

レオンス・ペレ:サイレント時代にフランスで活躍した映画俳優・監督。1880年、ドゥー‐セーヴル県ニオールに生まれる。最初は舞台俳優として出発するが、やがて映画界に身を投じる。ゴーモンで、ルイ・フイヤード監督らのもと、いくつかの短篇に俳優とし…

スペインのメリエスと呼ばれた男〜セグンド・ド・ショーモンについての覚書

『レオス・カラックス DVD-BOX』(ボーイ・ミーツ・ガール&汚れた血&ポンヌフの恋人)が発売。 セグンド・ド・ショーモン(Segundo de Chomón) スペイン映画創生期のキャメラマン・映画監督で、「スペインのメリエス」と呼ばれる人物。 1871年、スペ…

RKO Pathé についての覚書

わたしが RKO Pathé のロゴをはじめて目にしたのは、ジョージ・キューカーの『栄光のハリウッド』(31) という作品のなかだった。RKO のオープニング・ロゴといえば、Radio Pictures になってからの、電波塔から電波がピピピと出るあれしか知らなかったから、…

ロシアの影〜アンチ・ソヴィエト・プロパガンダ映画覚書

アメリカでは、ロシア革命直後のサイレント映画の時代から、多くの反共映画が作られてきた。それは、第二次大戦中の一時期をのぞいて、戦後の冷戦の時代までずっと続いてゆく。つぶさにリストアップしてゆけば、その数は大変なものになるだろう( このページ…