明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

ジャッロ映画の秘かな愉しみ

『キラー・マスト・キル・アゲイン』『ウォード夫人の奇妙な悪徳』

たまたま(?)ジャッロ映画を続けて見てしまったのでかんたんにメモしておく。 ルイジ・コッツィ『キラー・マスト・キル・アゲイン』 (L'assassino è costretto ad uccidere ancora, 75, 未) ★★妻を疎ましく思っている男(ジョルジオ)が、寂しい埠頭の電話…

アルド・ラド『ガラス人形たちの短い夜』

アルド・ラド『ガラス人形たちの短い夜』(La corta notte delle bambole di vetro, 71) ★★½ そんなにたくさん見ているわけではないが、これはジャッロ映画のなかでもかなりの変わり種の一つではないだろうか。なにせ主人公は最初から最後までずっと死んだま…

ルチオ・フルチ『幻想殺人』ほか

ルチオ・フルチ『幻想殺人』(Una lucertola con la pelle di donna, 71) ★★½ さすがは〈巨匠〉ルチオ・フルチというべき見ごたえのある作品である。これもロンドンを舞台にしたミステリー。後年、元祖スプラッター映画の監督として名を馳せてゆくことになる…

『ソランジェ、残酷なメルヘン』『リビドー』ほか

ジャッロ映画と呼ばれるイタリアのサスペンス&ホラーのジャンルについては、ダリオ・アルジェントやマリオ・バーヴァといった何人かのお気に入りの監督作品を除くと、あまり熱心に見てこなかった。信頼できる道案内人がいなかったというのが、その最たる理…

Giallo ってなんじゃろ?〜マリオ・バーヴァとアントニオ・マルゲリーティをめぐって

イタリアのホラー映画について書かれた文章などで、"Giallo" とか "Giallo movie" といった言葉をよく眼にすることがある。ホラー映画のサブジャンルらしきことはだいたい文脈から予想がついていたが、ちゃんと調べてみたことがなかった。"Giallo" とはいっ…