明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。










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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

ベイジル・ディアデン『兇弾』ほか

『無防備都市』(ロベルト・ロッセリーニ)★★★★ 『サスペリア』(ダリオ・アルジェント)★★★ 『愛と怒り』(ベルトルッチ、ベロッキオ、パゾリーニ、ゴダールほか)★★½ 『ルナ』(ベルナルド・ベルトルッチ)★★½ 『夜を殺した女』(Le lieu du crime, アンド…

新作DVD――マルコ・ベロッキオ『結婚演出家』『アッバス・キアロスタミ ニューマスターBlu-ray BOXI, II』ほか

DVD

レイ・エンライト『セントルイス HDリマスター』、『セントルイス HDリマスター』 [Blu-ray] 蓮實重彦が西部劇ベスト50の一本に選んでいる作品だが、まあ、普通の映画です。 『戦争映画パーフェクトコレクション 栄光の軍旗 DVD10枚組』 ジョン・フォード『…

ディーヴァ誕生――マリオ・カゼリーニ『されどわが愛は死なず』

マリオ・カゼリーニ『されどわが愛は死なず』(Ma l’amor mio non muore!, 1913) ★★★ 第一次大戦前のイタリア映画は、ハリウッドにさえ負けていないどころか、その先をいっていた。アメリカ映画がまだ一巻ものの作品ばかりを作っていたとき、イタリアでは数巻…

オーソン・ウェルズ『風の向こう側』、内田吐夢『警察官』ほか

別に忙しかったわけでもないのだが、あまり書く気になれなかったのでしばらく更新できていなかった。最近見て印象に残った映画についてメモ書き程度に記しておく。 オーソン・ウェルズ『風の向こう側』★★★内田吐夢『警察官』(1933) ★★★三宅唱『きみの鳥はう…

トンポン・シャンタランクン『I Carried You Home』

トンポン・シャンタランクン『I Carried You Home』(Padang besar, 2011) ★★ タイ映画、といってもアピチャッポンの映画のように型破りで、作家性に溢れている映画ではないし、アノーチャ・スイッチャーゴーンポンのように実験的な作品でもない。タイの映画…

ジョージ・キューカー『わが息子、エドワード』ほか

ジョージ・キューカー『わが息子、エドワード』(Edward, my son, 1949) ★★★デヴィッド・ロバート・ミッチェル『アンダー・ザ・シルバーレイク』(Under the Silverlake) ★★½ヴァレリー・ドンゼッリ『禁断のエチュード マルグリットとジュリアン』(Marguerite …

ゾルタン・ファーブリ『第五の封印』『メリー・ゴー・ラウンド』

ゾルタン・ファーブリ『第五の封印』(Az ötödik pecsét, 1976) ★★½ 監督のゾルタン・ファーブリ(ハンガリー風に言うならば「ファーブリ・ゾルタン」)の名前も、この映画のことも、日本ではほとんど知られていないが、ハンガリー映画史に残る傑作と言われる…

新作DVD――『七人の無頼漢』、『人体自然発火/スポンティニアス・コンバッション』ほか

DVD

『ダグラス・サーク Blu-ray BOX』 ダグラス・サーク『悲しみは空の彼方に』 Blu-ray 、『天はすべて許し給う』 DVD HDマスター 、『天はすべて許し給う』 Blu-ray チャールズ・ロートン『狩人の夜』 [Blu-ray] バッド・ベティカー『七人の無頼漢』 [Blu-ray…

映画本ピックアップ――『ジョン・カーペンター 読本』ほか

『ディアローグ デュラス/ゴダール全対話 (DURAS/GODARD DIALOGUES) 』 『眼がスクリーンになるとき ゼロから読むドゥルーズ『シネマ』 』 『フランシス・フォード・コッポラ、映画を語る ライブ・シネマ、そして映画の未来』 木全 公彦 『スクリーンの裾を…

イディッシュ語映画を見る――マイケル・ワジンスキ『ディブック』

マイケル・ワジンスキ『ディブック』(The Dybbuk, Der Dibuk, 1938) ★★★ ロシアの作家S・アンスキが書いた同名の戯曲を、ポーランドの監督のマイケル・ワジンスキ(という読み方でいいのか? Michal Waszynski)が映画化した幻想的作品。 ジョゼフ・グリー…

マラン・カルミッツ『ここではない場所で七日間』ほか

今週末に迫った神戸映画資料館の講座の準備で、いよいよ余裕がなくなってきた。コメントを書いている時間もないので、とりあえず最近見て印象に残ったタイトルだけを並べておく。 ベルナルド・ベルトルッチ『暗殺のオペラ』(Strategia del ragno, 1970) ★★★½…

『地の塩』『青春物語』『地の果てを行く』

ハーバード・J・バイバーマン『地の塩』(Salt of the Earth, 1953) ★★マーク・ロブソン『青春物語』(Peyton Place, 1957) ★½ジュリアン・デュヴィヴィエ『地の果てを行く』(La bandera, 1935) ★½ マーク・ロブソン『青春物語』は、アメリカではファミリー・…

ウジェーヌ・グリーン『ジョゼフの息子』、ベルトラン・ボネロ『ノクチュラマ』など

神戸映画資料館の連続講座が目前に迫ってきたので、なかなか更新している余裕が無い。とりあえず、最近見た中で印象に残った映画を列挙しておく。 バート・レイノルズ『シャーキーズ・マシーン』(1981) ★★★ベルトラン・ボネロ『ノクチュラマ』(Nocturama) ★★…

ウィリアム・ディターレ『ラブレター』

ウィリアム・ディターレ『ラブレター』(Love Letters, 1944) ★★★ 一般にはそこまで評価が高い作品ではない。星の数にはわたしの個人的な思い入れが多分に入っている。なぜだかうまく説明できないのだが、わたしはこの映画がとても好きなのだ。 「ラブレター…

フランク・D・ギルロイ『正午から3時まで』――事実ではなく伝説を印刷しろ!

フランク・D・ギルロイ『正午から3時まで』(From Noon Till Three, 1976) ★★ フランク・D・ギルロイが自身の小説を映画化したカルト西部劇。「撮影リュシアン・バラード」という文字に一瞬心躍るが、タイトル・バックに映し出されるいかにも作り物めいた…

新作DVD――S・フラー『陽動作戦』、ベルトルッチ『暗殺のオペラ』、曽根中生『夜をぶっとばせ』ほか

DVD

D・W・グリフィス『國民の創生』 DVD HDマスター、『國民の創生』 Blu-ray 、『イントレランス』 DVD HDマスター、『イントレランス』 Blu-ray サミュエル・フラー『陽動作戦』 『戦争映画 パーフェクトコレクション 狂気の戦場DVD10枚組 ACC-126』 オットー…

フィル・カールソン『ギャングを狙う男』

フィル・カールソン『ギャングを狙う男』(99 River Street) ★★★ ボクシングの試合のシーンから始まる映画は少なくない。これもそんな映画の一つだ。リングの上で二人のボクサーが激しいパンチの応酬をしあっている。パンチが入るたびに興奮してまくしたてる…

イングマール・ベルイマン『愛のさすらい』

イングマール・ベルイマン『愛のさすらい』(The Touch, 1971) ★★ アントニオーニに寄せたような邦題よりも原題の「ザ・タッチ」 のほうが馴染みがある。一度も見る機会がなく長らく気になっていたベルイマン作品のひとつ。『狼の時刻』や『恥』のように今ま…

リカルド・フレーダ『神秘の騎士』

リカルド・フレーダ『神秘の騎士』 (Il cavaliere misterioso, 1948) ★★★ 18世紀のイタリアを舞台にジャコモ・カサノヴァが活躍する冒険活劇。『Don Cesare di Bazan』(42)、『Aquila nera』(46) につづいてリカルド・フレーダが撮ったコスチューム・プレイ…

ロバート・シオドマク『ハリー叔父さんの悪夢』

ロバート・シオドマク『ハリー叔父さんの悪夢』 (The Strange Affair of Uncle Harry, 1945) ★★½ ヒッチコックの『疑惑の影』のようなスモールタウンを舞台にした犯罪ものと一応は言うことができるだろう。しばしばフィルム・ノワールにも分類される作品であ…

猫と映画と寺山修司

今まで作っていなかったのが不思議なくらいだが、新しく「猫」のカテゴリーを設けることにした。いよいよ猫学を極めることを決意したからである。というのは嘘で、長い記事ばかり書いているとあまり更新できないから、ちょっとした小ネタを挟んでゆくことで…

新作DVD――『追われる男』『蜘蛛の巣』『世界のイメージと戦争の刻印/隔てられた戦争』ほか

DVD

ジョゼフ・マンキーウィッツ『大脱獄』 [DVD] マンキーウィッツ唯一の西部劇。大昔にここで紹介している。レビューにごちゃごちゃ書いてあるけど、ちゃんとシネスコになってると思うけどね(シネスコが DVD では 16:9 の表記になってるのはよくあること)。 …

ナチス映画を見る――ハンス・シュタインホフ『老いた王と若き王』『クリューガーおじさん』

わたしが見ることができたハンス・シュタインホフの映画は結局3本だけだが、この監督には確かな演出力があることが確認できた。彼が映画を撮ったのがたまたま(本当にたまたまなのか?)ナチス・ドイツでなかったならば、ひょっとしたら今頃は巨匠として名…

ナチス映画を見る――ハンス・シュタインホフ『ヒトラー青年』についての覚書

ハンス・シュタインホフ『ヒトラー青年』(Hitlerjunge Quex, 1933) ★★★ ヘルベルト・ノルクスという名前を聞いてすぐに誰だか分かる人は、ドイツ史の専門家でもない限りそう多くはないだろう。1932年1月24日、ベルリンで、いわゆるヒトラーユーゲント(ナチ…

フェリクス・E・フェイスト『世界大洪水』――プレ・コード時代の大災害パニック映画

フェリクス・E・フェイスト『世界大洪水』(Deluge, 1933) ★★ プレ・コード時代のハリウッドで作られた最初期のディザースター・フィルム(大災害パニック映画)の一つ。フィルムは失われてしまったものと長らく考えられていたが、1981年にイタリア語版のプ…

フセヴォロド・プドフキン『脱走者』

フセヴォロド・プドフキン『脱走者』(Dezertir, 33) ★★ 『A Simple Casse』でトーキーを試みたものの果たせずに終わったプドフキンは、この『脱走者』で初のトーキー映画に成功する。「脱走者」というタイトルからつい戦争映画を想像してしまうかもしれない…

新作DVD――『サミュエル・フラーのシャーク!』『黒い牡牛』『DVD 東京藝術大学大学院映像研究科 第十一期生修了制作作品集2017』ほか

DVD

アルフレッド・ヒッチコック『ウィンナー・ワルツ』 [DVD] 、『メリー』 [DVD] アンソニー・マン『戦略空軍命令』 [Blu-ray] オットー・プレミンジャー『軍法会議』 [Blu-ray] アーヴィング・ラパー『黒い牡牛』 [DVD] 、『黒い牡牛』 [Blu-ray] 赤狩りのブ…

フセヴォロド・プドフキン『脳の機能』『A Simple Case』

フセヴォロド・プドフキン『脳の機能』(Mekhanika golovnogo mozga, 1926) ★ 脳神経が動物の行動に及ぼす働きを描いた純然たる科学映画。カエルから始まって、犬、猿というふうに動物生体実験の様子が描かれてゆき、そこから得られた結論から、最後に、人間…

映画眼幻想

ジガ・ヴェルトフ『カメラを持った男』 マン・レイ『エマク・バキア』 ルイス・ブニュエル『アンダルシアの犬』 フェルナン・レジェ『バレエ・メカニック』 ジャン・コクトー『詩人の血』 ケネス・アンガー『我が悪魔の兄弟の呪文』 ポール・シャリッツ『T,O…

カメラを持った男――ジガ・ヴェルトフを讃えて

5月26日(土)、神戸映画資料館にて、下記の講座を行います。連続講座「20世紀傑映画再(発)見」第4回 『カメラを持った男』──機械の眼が見た〈真実〉 http://kobe-eiga.net/program/2018/05/3913/[『カメラを持った男』は字幕のない映画として知られていま…