明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。





























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神戸映画資料館でわたしが行っている「連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見」の詳細が決まりました。

「連続講座:20世紀傑作映画 再(発)見 第8回 パプストとブルックス──『パンドラの箱』を読み解く」 2019年12月22日(日) 詳細はここで。
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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

ベイジル・ディアデン『兇弾』ほか

『愛と怒り』(ベルトルッチ、ベロッキオ、パゾリーニゴダールほか)★★½

『ルナ』(ベルナルド・ベルトルッチ)★★½

『夜を殺した女』(Le lieu du crime, アンドレ・テシネ) ★★½

『兇弾』(The Blue Lamp, 1949, ベイジル・ディアデン)★★

『招待』(L'invitation, クロード・ゴレッタ) ★★

『サーチ』(Searching, 2018) ★★

『マッドボンバー』(Mad Bomber, 1972, バート・I・ゴードン) ★½

覚書。


無防備都市』は最後に見たのがいつだったか全く思い出せない。それくらい久しぶりだったのだが、改めて今見るとまるでフリッツ・ラングの映画の活劇を見ているようなところがあって、「ネオリアリズム」なんてものには簡単に収まりきらない映画だったのだなと、新しい発見が多々あった。上映プリントがあるなら神戸映画資料館の連続講座で取り上げたいものだが。


リメイクで話題の『サスペリア』もずいぶん久しぶりに見直したが、やっぱり面白い。冒頭の空港の自動ドアが開くと外は大雨というシーンからもうハッタリしかないって感じなのだが、ハッタリだけでこれだけ見せられるというのは大したものだと思う。


『愛と怒り』も久しぶりに見直した。教室での政治的ディスカッションをひたすら演劇的に描いたベロッキオ篇もなかなか面白かったが、やっぱりゴダール篇が一つ飛び抜けている。正直、全く忘れていたのだが、こんなに素晴らしい作品だったとは。


ベイジル・ディアデンの『兇弾』は、スコットランドヤードの日常と無軌道な若者たちの犯行を並行して描く英国版『探偵物語』(ワイラー)のような作品。若き日のダーク・ボガードを除くと顔なじみの俳優はほとんど出ていず、犯罪者にも警察にも、際立った人物は出てこない。アンソニー・マンの『T−メン』のようなセミ・ドキュメンタリー・タッチに近いものがあり、冒頭のナレーションなどまるで教育映画のようだ(もっとも、ナレーションが出てくるのは最初だけだが)。この地味さが、この映画の長所でもあり短所でもあるといってもいい。同じスコットランドヤードを描いた映画ということで、ジョン・フォードの『ギデオン』とつい比べてしまうのだが、無論フォードの偉大さには遠く及ばない。ディアデンならば他に好きな作品がもっとある。


『マッドボンバー』はある種カルト的人気のある映画。連続爆破魔逮捕につながる唯一の手がかりとして、警察が連続レイプ犯を追うという、なかなかの色物で、まあ、面白くなくはないのだが、チャック・コナーズ、ネヴィル・ブランドらの怪演を除くと、正直いささか単調。