明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

マリオ・ソルダーティとカリグラフ派についての短い覚書

「カリグラフィスム」(イタリア語で「カリグラフィスモ」、あるいは「チネマ・カリグラフィスタ」)は、1940年代前半にイタリアで制作された映画作品について使われる言葉で、この時代の「映画の流派(傾向)」のひとつ。複雑な表現、文学作品を原作として…

ロバート・シオドマク『大いなる罪びと』――ギャンブル、エヴァ・ガードナー、そしてゴダール

ロバート・シオドマク『大いなる罪びと』(The Great Sinner, 49) ★★½ 『The Rocking Horse Winner』、『スペードの女王』……。偶然なのだが、なぜか最近、ギャンブルをテーマにした映画を見ることが多い。今回紹介するこの『大いなる罪びと』もまた賭けを描い…

ロイ・ウォード・ベイカー『The House in the Square』

ロイ・ウォード・ベイカー『The House in the Square』(51) ★★ 20世紀を生きる科学者がふとしたきっかけで19世紀にタイムスリップし、そこで恋をする。そんな物語にいまさら何の興味がある? と思いながら見はじめたのだが、これがなかなか良くできていて、…

『スペードの女王』とソロルド・ディキンソンについての覚書――イギリス映画の密かな愉しみ2

ソロルド・ディキンソン『スペードの女王』(The Queen of Spades, 49) ★★★ 『Rocking Horse Winner』もなかなかの拾い物であったが、この『スペードの女王』は文字通りの傑作であったといっておこう。これも小説を映画化した原作ものであるが、とにかく出来…

アンソニー・ペリッシャー『The Rocking Horse Winner』──イギリス映画の密かな愉しみ1

グリアスンらによるドキュメンタリー運動、イーリング・コメディ、フリー・シネマ、ハマー・プロ……、といった映画史の概説に出てくるような事柄なら知ってはいるし、多数の作品を見てもいる。しかし、それ以外に自分はイギリス映画のことをどれだけ知ってい…