明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

『ブリット』『夜の大捜査線』『ドリフト』

2005年10月20日

ピーター・イエーツ『ブリット』

同じサンフランシスコの坂道を、マックィーンがトップギアで車(ダッジチャージャーっていうの?)を疾走させる『ブリット』よりも、ジェームズ・スチュワートがゆっくりと車を走行させる『めまい』のほうが、どれほどサスペンスフルで官能的な魅力にあふれていることか、って話。

とはいえ、あの乾いたエンジンオンにもそれなりの魅力があることもたしか。オープニングのタイトルの出し方はいま見てもかっこいい。


ノーマン・ジュイソン夜の大捜査線

大した映画ではないが、最後の最後にとびっきりの笑顔を見せるロッド・スタイガーはやっぱりいい。気のせいか、こういう映画に出てくる町を牛耳る大物は、たいてい屋敷の温室で花を育てている。それとも、『大いなる眠り』のリメイクを何本も見ているせいでそう思うだけだろうか。


2005年10月19日

口内炎がつらい。

ツイ・ハーク『ドリフト』


ハリウッドから香港へ帰っての第一作。独創的なアクション・シーンはなかなかクオリティが高い。とくに、ウー・バイのアパートでのロープを使ったアクション。非常階段をロープにつり下がって回転しながら降りていったり、ベランダの並ぶ建物の側面を縦横に移動しながらの撃ち合いなど、あまり見たことのないアクションが見られる。この場面の最後の爆発で大量の鳩を焼死させているのは、ジョン・ウーを意識してのことか。アンソニー・ウォンホウ・シャオシェンの映画でおなじみのジャック・カオなど、脇役の顔ぶれもいい。最後の部分で、敵のひとりが赤ん坊を投げるのはひょっとしてジョン・ヒューストンをまねたのだろうか。

それほど好きでもない監督だが、そのなかではこれは一番いいほうにはいる。