村川透にまだ余力が残っていたころの作品だが、館ひろしと柴田恭平が結婚式の新郎のような格好で、むなしいダンディスムをふりまくこのシリーズでは、さすがの村川透でもいい映画は撮れない。廃ビルでの場面だけは彼らしいきれを見せているが、これも結局自己模倣の域を出ていない。
ついでだが、村川透のデビュー作『白い指の戯れ』がDVDで出ている。このへんのポルノ映画もどんどんDVD化してレンタルしてほしいものだ。そして、できればアダルトコーナーではなく、ふつうの場所に置いてほしい。いまの基準で行けば、かつての日活ロマンポルノでアダルト扱いすべきものはそんなにないはず。だれのためになにを守っているのかわからない規定は、いい加減に廃止したらどうか。