昔はどうでもよかったこういう映画も、いま見ると結構面白く見れてしまう。それだけいまのハリウッドの映画が面白くないということか。ジョン・フランケンハイマーの『フレンチ・コネクション2』は一作目に比べて冗長な仕上がりだったが、どちらも幕切れのあっけなさが心地よい。『フレンチ・コネクション』では、ポパイ(ジーン・ハックマン)が麻薬組織の取引現場を押さえ、一味を一網打尽にするが、ボスのフェルナンド・レイをあと一歩のところで取り逃がしてしまう。廃ビル(どうしてアクション映画のクライマックスはいつもいつもこういう場所を舞台にするのか)で同僚のデカを誤って射殺してしまったポパイが、そんなことにはお構いなしにフェルナンド・レイの跡を追いかけていくところで、映画は唐突に終わる。『フレンチ・コネクション2』では、船底に隠れてうまく逃げおおせたつもりのフェルナンド・レイが、もう大丈夫と思ってデッキに現れたところを、埠頭で待ち受けていたポパイが射殺する瞬間に映画は終わる。
この二つが特別だったわけではなく、かつてのハリウッド映画ではこういう幕切れのあっけなさはごく普通のことだった。それが変わりはじめるのは、いつからのことだったのか。