明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

ロバート・ワイズ亡くなる


ウェスト・サイド物語』『サウンド・オブ・ミュージック』などで知られるロバート・ワイズ監督が14日、亡くなった。というか、まだ生きていたのかとちょっと驚いた。個人的には、物語の時間と映画の時間をシンクロさせて描いたボクシング映画(フィルム・ノワールといってもいい)の名作『罠』やSF『地球の静止する日』黒沢清がホラー映画ベスト50の第9位に選んでいる『たたり』などが心に残っている。

たたり

RKOの編集者として出発し、オーソン・ウェルズの『市民ケーン』と『偉大なるアンバーソン』の編集などを担当したのち、ヴァル・リュートンの製作で『キャット・ピープルの呪い』を監督してデビューする。彼の代表作としては『ウェスト・サイド物語』『サウンド・オブ・ミュージック』が挙げられることが多いが、この二作がワイズの才能を十分に示しているかどうかは疑わしい。とりわけ、ミュージカル映画をある意味で終わらせてしまった『ウェスト・サイド物語』の功罪の罪の部分はもっと問われるべきだろう。この機会に『拳銃の報酬』をDVD化してほしい。