明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

『Ergo Proxy』とか『旅芸人の記録』とか、いろいろ


あんまり書いてる暇がないです。雑文ふうに。

Amazonマーケットプレイスミハイル・ロンム『一年の九日』とジョセフ・マンキーウィッツの『ピープル・ウィル・トーク』を購入する。

『一年の九日』は新品なのに6割引、『ピープル・ウィル・トーク』はほぼ新品状態で半額。いい買い物だ。『一年の九日』は映画館で2回ぐらい見ているが、このDVDはだいぶ前に発売されたもので、人気がある作品ともいいがたい。いかにもすぐになくなってしまいそうなので買っておくことにした。

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『Ergo Proxy』というアニメを見始めた。近未来を描いたサイコサスペンスだ。

人混みのなかで怪物が暴走し、赤ん坊の乗った乳母車が階段を落下してゆくシーンを見て、ふーんと思う。『戦艦ポチョムキン』を見てまねたのか、それともデ・パルマの『アンタッチャブル』の影響か。

次に、ジョー・ブスケが引用されるのを見て、おやおやと思う。

やがて、ドゥルーズガタリという名前のロボットが出てくるのを見て確信する。あとで見直してみたら、最初のほうに出てくるロボットかなにかにラカンデリダという名前が付けられていた。最近のアニメの連中は映画の連中よりもよぽど教養があるのかもしれない。まあ、はったりなのだろうが、それなりに知っていないとはったりもきかない。

球体の巨大なドームの中の管理社会ロムドと、その外に追放された、あるいはそこから逃亡して荒野に生きているものたち。「コギト・ウィルス」にかかって意識を持ちはじめるロボット……。設定は紋切り型だが、今のところそれなりに楽しめている(まだ3話ぐらいまでしか見ていないが)。

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テオ・アンゲロプロス旅芸人の記録』★★★★

ひさしぶりに見直した。ミュージック・ホールでの王制支持者と共産主義支持者たちの歌合戦のシーン。エドワード・ヤンはこの場面を見て『クーリンチェ少年殺人事件』を撮ったに違いない。この場面につづくめまぐるしい時間軸の移動もすごい。ナチ占領時代に聞こえてくるツァラ・レンダーの歌声!


チャップリン『サーカス』★★★

ミラー・ルームの場面で記憶されるべき作品。ギャグの切れ味もチャップリンの作品のなかでかなり上位を占めるものだろう。有名なライオンの檻のシーンは、「禁じられたモンタージュ」という文章をアンドレ・バザンに書かせた。それにしても、映画に出てくるサーカスの座長というのはどうしてこういつもサディスティックなのだろう。