「港の乾杯 勝利をわが手に」「8時間の恐怖」「素ッ裸の年令」「関東無宿」「東京流れ者」「殺しの烙印」の6作品を収録。
監督自ら収録作品を選び、音声コメンタリーやインタビューで自作品を語る。「悪太郎」「河内カルメン」「花と怒涛」「春婦傳」「散弾銃の男」「峠を渡る若い風」の6作品を収録。
ピエトロ・ジェルミの『刑事』ではありません。ゴードン・ダグラスが60年代の終わりに撮った晩年の傑作『刑事(デカ)』です。ハル・ローチ作品のギャグマンなどとしてサイレント時代から映画とかかわってきたゴードン・ダグラスの長いフィルモグラフィーは、コメディ、海賊映画、騎士もの、SF(『放射能X』)などなどありとあるジャンルの作品に彩られていますが、とりわけ彼が得意としたのが犯罪映画と西部劇でした。『明日に別れの接吻を』と『リオ・コンチョス』がそれぞれの代表作となるでしょう。傑出した作家ではたしかになかったかもしれないですが、とうてい忘れられない作品をいくつも撮ってきた人です。オリバー・ハーディとハリー・ラングドンを組ませたのは彼でしたし、そもそもローレル&ハーディとジェリー・ルイスの両方を監督したことがあるひとが彼以外にいるでしょうか。『刑事』はゴードン・ダグラスがそのキャリアの晩年にフランク・シナトラ主演で撮った刑事ドラマの傑作です。不正に満ちた社会、腐敗した警察組織、疲れ切った刑事、60年代末に撮られたカラー作品ですがフィルム・ノワール的な暗さに満ちた作品だったと記憶しています。むかしテレビで見て録画もしてあるのですが、時間がないので見直していません(録画したのは吹き替えトリミング版だったし、DVDが出るまで待つことにします)。
未見。ベティ・デイヴィス主演のブラックなスリラーらしい。マリリン・モンローが精神的に不安定なベイビー・シッターを演じた『ノックは無用』などのアメリカ映画も撮っているが、イギリス生まれのロイ・ウォード・ベイカーは基本的にはイギリスの映画監督ということになる。代表作の『火星人大襲撃』をはじめその大部分の作品が未公開であることからわかるように、かなり際物的作品が彼のフィルモグラフィーの多数を占めている。名前ほどには作品が知られていない、まだまだ未知の監督といえるかもしれない。
見てないですが、なんとなく気になったので。ハーシェル・ゴードン・ルイスを思わせる話ですが、たぶん駄作でしょう。しかし、映画の楽しみは結局こういうところにあるんじゃないですか。