明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

ポール・ニューマン『オレゴン大森林/わが緑の大地』


気がついたら(とっくに気がついてたけど)、ひと月以上更新していなかった。まとまったものを書こうとすると、全然更新できないので、これからはツイッターで書いてるような小ネタもとりあげていこうかと思ってる。

ポール・ニューマン『オレゴン大森林/わが緑の大地』


ペキンパーとベティカーが映画化に興味を示していたケン・キージーの原作を、ポール・ニューマンが監督・出演で映画化した作品。別の監督によって撮影が着手されたが、かれが途中で降板したために、俳優だけの予定だったポール・ニューマンがメガホンを取ることになった(ニューマンはこの映画のプロデューサーでもあった)。


この映画に描かれるのは、ストライキに同調することなく森林伐採の仕事をつづけ、次第に地域社会から孤立していく一家だ。マッチョで保守的で自己中心的な、どう見ても最悪の一家で、最後には、その家長(ヘンリー・フォンダ)と息子の一人は事故で無残な死に方をし、女房たちも家を出てゆく。それでいながら、その反骨精神がすがすがしい印象を残す不思議な作品。もぎ取られた父親の片腕を船の屋根に突き立てるニューマンがかっこいい。

監督ポール・ニューマンは侮れない。