明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

『おとぼけオーギュスタン』など

ここ数日体調が不良で、頭もよく働かない。


アンヌ・フォンテーヌ『おとぼけオーギュスタン』★★★

フランスの女性監督アンヌ・フォンテーヌの処女作。1995年という製作年度を考えると、スタンダード・サイズはめずらしい。61分という上映時間も注目に値する。この映画はわずか数シーンより成っている。シーンがたしかに存在すると感じさせてくれる映画は今では貴重だ。シーンが存在するなんて当たり前だと思われるかもしれない。しかし、大部分の映画は、シナリオにシーン3とかシーン4とか書いてあるだけで、実際には、シーンと呼ぶべきものは存在しない。でたらめな場所にキャメラが置かれ、でたらめな順番で映像がつながれているだけ。そんなものはシーンと呼ぶに値しない。

タイトルがタイトルだけに、あまり見る気が起きないかもしれないが、スモール・ムーヴィーの佳作である。ちなみに、ゴダールがこの映画について何度か言及している、と書けば少しは見る気になるだろうか。



チャン・ヒョンス『誰にでも秘密がある』★★

途中までは予想外の展開でそれなりに楽しめるが、終わってみればふつうの映画。パゾリーニの『テオレマ』をコメディにしたような作品。


昨日ナナゲイで見たマルコ・ベロッキオの『夜よ、こんにちは』はなかなかの力作だったが、今は書く気力がない。体調がよくなったら、明日にでも書くことにする。