ここ数日体調が不良で、頭もよく働かない。
アンヌ・フォンテーヌ『おとぼけオーギュスタン』★★★
フランスの女性監督アンヌ・フォンテーヌの処女作。1995年という製作年度を考えると、スタンダード・サイズはめずらしい。61分という上映時間も注目に値する。この映画はわずか数シーンより成っている。シーンがたしかに存在すると感じさせてくれる映画は今では貴重だ。シーンが存在するなんて当たり前だと思われるかもしれない。しかし、大部分の映画は、シナリオにシーン3とかシーン4とか書いてあるだけで、実際には、シーンと呼ぶべきものは存在しない。でたらめな場所にキャメラが置かれ、でたらめな順番で映像がつながれているだけ。そんなものはシーンと呼ぶに値しない。
タイトルがタイトルだけに、あまり見る気が起きないかもしれないが、スモール・ムーヴィーの佳作である。ちなみに、ゴダールがこの映画について何度か言及している、と書けば少しは見る気になるだろうか。
チャン・ヒョンス『誰にでも秘密がある』★★
途中までは予想外の展開でそれなりに楽しめるが、終わってみればふつうの映画。パゾリーニの『テオレマ』をコメディにしたような作品。
昨日ナナゲイで見たマルコ・ベロッキオの『夜よ、こんにちは』はなかなかの力作だったが、今は書く気力がない。体調がよくなったら、明日にでも書くことにする。