来週、NHK BS でカール・ドライヤーの映画が3本放送されます。なあに、いつもの代わり映えのしないラインナップですよ。『怒りの日』『奇跡』『ガートルード』の3作です。暇だったら見てください。2時間を超えるものがあるので、録画モードには注意しましょう。ちなみに、アメリカで出ている『牧師の未亡人』の DVD には、あの超有名な短編『かれらはフェリーに間に合った』が同時収録されています。フェリーに間に合ったと思ったら、そこで待っていたのは死に神だったという怖い作品です。しかし、なにが怖いっていったら、これが PR 映画として作られたということですね。『牧師の未亡人』も、ドライヤーとしては珍しいコミカルな作品で、楽しめます。
なんか際物っぽいタイトルがついてますけど、とてもよくできた作品ですよ。なめないでください。
マキノの後期作品がまとめて DVD に。
ワイルダーとしてはあまり知られていない作品だけれども、評価は高い。
アルベルト・カヴァルカンティ『悪魔と寵児 (ユニバーサル・セレクション2008年第1弾) 【初回生産限定】』
カヴァルカンティがこんな映画を撮っていたというのは、正直知らなかったね。20年代パリのアヴァンギャルド映画の監督といったイメージが強いのだけれど、実はブラジル生まれ(グラウベル・ローシャがカヴァルカンティにオマージュを捧げたりしているんです)。フランスから今度はロンドンに渡ると、ハリー・ワットとヴァジル・ライトによる有名な記録映画『夜間郵便』をプロデュースしたりしている。その後も様々な国移り住んで映画を撮っていたようだ。元祖無国籍監督だね。
"Nicholas Nickleby" はもちろん、ディケンズの小説の登場人物。というか、これはディケンズの原作の映画化したもの。ちなみに、レイ・ブラッドベリに「ニコラス・ニックルビーの友はわが友」という短編があります。I SING THE BODY ELECTRIC!
[「都会のアリス」「さすらい」「左利きの女」「ことの次第」「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(フィルム・テレシネ・バージョン)」の5作品が収録されたヴィム・ヴェンダース監督のDVD-BOX。初期の短編作品「ワニの家族」「島」とインタビュー映像が収録された特典ディスク付き。]
初期の短編が気になるね。『左利きの女』はヴェンダースじゃないだろ(まあ、関係者のひとりだけど)。
「黄金の馬車」「恋多き女」「ジャン・ルノワールの小劇場」の3作品を収録
『F.W.ムルナウ コレクション フォーゲルエート城 クリティカル・エディション』
なんか粛々といった感じで、ルノワール・ラング・ムルナウのコレクションが刊行されつつあるんだけど、これって実はすごいことなんですよ。しかし、『フォーゲルエート城』(「フォーゲレート城」と覚えていたが、これは間違った読み方だったのか)まで出てしまうとは。
「すべては田園風景のなかにそびえる城のなかでおきる。ムルナウがこの映画全体を、城とその近郊を中心にすえて描いているのは、ピトレスクをねらってのことではない。城と田園風景という二つの舞台装置の対立から、この映画はそのすべての効果を引き出しているのである。」
ジャン・ドマルキ
ジョン・フォード『モホークの太鼓』
アキ・カウリスマキ『街のあかり』