明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

新作DVD〜『ペドロ・コスタDVD-BOX』『ストローブ=ユイレ コレクション アンティゴネー』ほか


このブログにふさわしい作品がなかなか出なかったので、しばらく日本の新作 DVD の紹介はしていませんでしたが、ひさしぶりにビッグなサプライズがありました。

『グラディーヴァ マラケシュの裸婦』


ずいぶん以前にここで書いたロブ=グリエの新作が DVD で発売される模様(Josicky さん、情報提供ありがとうございます)。これ、公開はされたんですかね? 調べるのが面倒くさかったので、確認はしていないんだけど。


『ペドロ・コスタ DVD-BOX』


紀伊国屋書店から発売。圧倒的に評判のいい新作『コロッサル・ユース』がこの春ようやく公開されるペドロ・コスタの、『ヴァンダの部屋』へとつづく三本の旧作、『血』『骨』『溶岩の家』を収録した待望の(というか、だれも期待していなかった)BOX。『溶岩の家』だけ見ていないので、単品でも売ってもらえるとありがたい。Booklet とかつけなくてもいいから、もう少し値段が下がらないものか。日本の DVD は基本的に高すぎるんだよね。

『ストローブ=ユイレ コレクション アンティゴネー (ソポクレースの《アンティゴネー》のヘルダリーン訳のブレヒトによる改訂版(1948年))』


ストローブは同じ作品の異ヴァージョンをいくつかつくっていることが多いんだけど、このコレクションではそのへんは考慮してないんだね(ストローブ的正しさは、思ったほどガチガチじゃないってこと)。ペドロ・コスタの『映画作家ストローブ=ユイレ/あなたの微笑みはどこに隠れたの?』はまさしく、『シチリア!』の別ヴァージョンを編集するストローブ=ユイレを撮影した映画だった。『アンティゴネー』にもトカゲが出てくるヴァージョンと、出てこないヴァージョンがあったはず。

ロバート・ハーマー『カインド・ハート』(ユニバーサル・セレクション第6弾) 【初回生産限定】


去年の年末に出たもの。『乱闘街』や『悪魔と寵児』とかを紹介したときに、一緒に紹介しておくべきだったのだけれど、忘れていたので。イギリスのブラック・コメディの大傑作といわれている作品で、アレック・ギネスが一人八役を演じている。未見だが、ジャン・テュラールの映画ガイドでは四つ星がつけられている(四つ星は、『市民ケーン』や『戦艦ポチョムキン』と同じ扱い)。