明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

黒沢清の新作ホラー、まもなく公開


黒沢清の新作ホラー『LOFT』がこの秋、テアトル新宿シネ・リーブル池袋などで公開されます。

スランプに陥り、東京郊外に引っ越してきた女性作家・春名礼子。ある日彼女は、向いの家に得体の知れない物体を運び込む男を目撃する。男はある研究に没頭していた。2人の出会いが千年前の眠りを呼び覚ます…

ストーリーを読んでいるだけで、見たくなってくるね。主演は、中谷美紀豊川悦司西島秀俊など。この作品の噂は前々から聞いていたが、ようやく公開されるらしい。一年に1,2本は当たり前に撮っていた黒沢清だが、彼でさえ最近は寡作になっているようだ。

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最近テレビで見た映画。

野村芳太郎『事件』☆


□フィリップ・アレル『視線のエロス』★☆

不倫の物語を、中年男の一人称キャメラで最初から最後まで撮った作品。男の顔は、窓ガラスと鏡に映ったときの2度だけ、画面に登場する。要するに、ロバート・モンゴメリー『湖中の女』やデルマー・デイヴィスの『潜行者』がおおむかしにすでにやっていることを、なんの新しさもつけ加えることなく、繰り返しただけの作品。今頃どうしてこんな映画を撮るのか理解に苦しむ。相当頭が悪い監督なんだろう。まあ、記憶には残らないが、記録には残る作品ということはできるかもしれない。