新作DVD〜ヴァル・リュートン・コレクション（『私はゾンビと歩いた』ほか）

訂正：下の『レオパルドマン豹男』のリンクが間違ってました。これもジャック・ターナー作品です。未見ですが、『キャット・ピープル』『私はゾンビと歩いた』につづいてターナーがヴァル・リュートンのために撮ったこの最後の作品は、3本のなかで最も完成され、最も恐ろしいと某フランスの評論家は書いています。早く見てみたい。ちなみに『キャット・ピープル』はアイ・ヴィー・シーからいろんな2枚組が出ています。ナスターシャ・キンスキー主演のリメイク版と間違えないでください（こっちも悪くないですが）。

ヴァル・リュートンがプロデュースした怪奇映画がまとめてDVDで発売されます。ヴァル・リュートン。知らない人はこの機会に覚えておきましょう。『キャット・ピープル』を始めとする、映画史上最もポエジーにあふれたホラー映画の傑作群を生み出したRKOのプロデューサーです。モンスターよりもモンスターの影を描くことで、暗示に飛んだ一種独特の世界を作り出し、ホラー映画を刷新した人です。ハリウッドの内幕を描いたヴィンセント・ミネリの『悪人と美女』では、『キャット・ピープル』がパロディーふうに引用されています。実は、この人、アラ・ナジモヴァの甥に当たるんです。ホラー映画なんて嫌いという人も、『私はゾンビと歩いた』だけは見てください。
■マーク・ロブソン『吸血鬼ボボラカ』
■ジャック・ターナー『私はゾンビと歩いた』
■マーク・ロブソン『恐怖の精神病院』
■ロバート・ワイズ『死体を売る男』
■ジャック・ターナー『レオパルドマン豹男』
■ロバート・ワイズ『キャット・ピープルの呪い』

■ジョン・ヒューストン『勇者の赤いバッヂ』
前から出ている作品ですが、廉価版で再販売されます。ジョン・ヒューストンによる戦争西部劇の傑作。

■ルキノ・ヴィスコンティ『イノセント無修正版デジタル・ニューマスター』
ヴィスコンティなんていいよと思っている人は、わたしがいっても信じないでしょうから、蓮實重彦のお言葉に耳を傾けてください。
「『山猫』の舞踏会のシーンにいささかも驚かなかったわれわれは、『イノセント』の低い囁きの応酬に心からの感銘を覚える。これは囁きの映画ではない。囁きを介してヴィスコンティが映画と全的に和解した記念すべき作品が『イノセント』なのだ。」蓮實重彦