明るい部屋:映画についての覚書

日々の映画鑑賞と研究の記録、最新DVD情報などなど。ときどき書評めいたことも。


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神戸映画資料館「連続講座 20世紀傑作映画再(発)見」第15回
国辱映画『チート』とサイレント時代の知られざるデミル
詳細はここで。

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評価の目安:

★★★★(大傑作、あるいは古典)
★★★(傑作、あるいは必見)
★★(見たほうがいい)
★(興味深い)

(基本的に、興味のない映画はここでは取り上げません。なので、ここで話題にしている時点で、それなりに見る価値はある作品であるといえます。)

あの『神聖喜劇』がマンガになった


なんだかんだいって、ワールドカップの試合はほとんど見ているので、最近寝不足気味だ(昨日のベッカムのゴールは美しかった)。虫歯の治療もまだ終わらないし、プラス、胃の調子もちょっとおかしい。

おまけに、テレビの調子もますますおかしい。昨日ぐらいから、スイッチを入れてから画面がでるまでやたら時間がかかるようになり始めた。その上、DIGA が なぜか EPG を取得しなくなってしまい、とうとう番組表が一週間空欄になってしまった。スゴ録に比べて、ただでさえ信じがたいほど使い勝手が悪いのに、番組表まで取得しなくなったら、どうしようもない。

そんな悩める今日この頃、これははたして人に元気を与えてくれるんだろうか、いや、そうに違いないひとつの発見をした。

大西巨人『神聖喜劇』という小説がある。わたしの大好きな作品だ。前々から、あちこちで宣伝して、読め読めと勧めているのだが、どうもそれで読み始めたという人はあまりいないようだ。まして、最後まで読み終えた人がどれだけいることか。しかし、それでもこの小説を世に広めたいと思っている人は少なくないらしく、映画脚本家の荒井晴彦なんて、映画化の予定もないのに勝手にこの小説を『シナリオ神聖喜劇』としてシナリオ化してしまっているのだ。

ところが、それだけではなく、『神聖喜劇』はマンガにまでなっていることを、昨日わたしは発見してしまった。あれがマンガになるなんて想像だにしなかったが、これがどうやら原作を読んだ人たちのあいだでもなかなか評判がいいらしい。もちろん、原作を読むに越したことはないのだが、小説を読むなんてかったるい、字が苦手、という人はとりあえずマンガからはいるのもいいかもしれない。ただ、わたしはまだ読んでいないのだが、たぶんマンガのほうも活字だらけになっているのではないかという気がしている。結局あれは言葉でなければ表現できない世界を描いているのだ。

非常に硬派な印象を与える小説ではあるが、実際には、大いに笑える小説でもある。マンガのほうも、そうなっていることを期待したい。