監督:マノエル・ド・オリヴェイラ 出演:ミシェル・ピコリ/ビュル・オジエ
内容:38年ぶりにパリで偶然再会した未亡人セヴリーヌと亡き夫の友人アンリ。アンリは胸に秘めていた、あの日起こった出来事に関する真実を打ち明けたいという口実で、無理やりディナーの約束をとりつける。彼女にとって決定的な秘密とは?女につきまとう男の本心とは?(正月〜銀座テアトルシネマ) 配給:アルシネテランおおっ、ひさしぶりの公開じゃんと思ったら、何のことはない、『ベル・トゥジュール』のことだった。しかし、『夜顔』て……。冗談のようなタイトル。例によってフランスとポルトガルの合作。
9/11以後は、追跡機が国境を越えて犯人を追うこともあるそうだ(『プリズン・ブレイク2』より。テレビは勉強になるね)。
光文社古典新薬文庫。いつの間にこんな文庫が出ていたのか。フロイトの『幻想の未来、文化への不満』、スティーブンスンの『新アラビア夜話』などのラインナップは、今後に期待させるし、ジャン・ルノワールの小説の名訳で知られる野崎歓にスタンダールの『赤と黒』を訳させたりなど、訳者の選択もおもしろい。
菊池義明の『これでいいのか、翻訳本!』を読む。『フォレスト・ガンプ』の原作の翻訳が詳しく添削されている。なるほど、すごい誤訳の連続だ。これぞ「超訳」(跳躍?)。
ついにカメラ付き携帯を買うことを決意する。自慢じゃないが、わたしの携帯には、Softbank ではなく、Vodafone ですらなく、J-Phone というロゴが入っている超年代物。
何度読んでもわからなかった「スーパーボーナス」の仕組みが、昨晩、天啓のように理解される。それにしてもソフトバンクの料金体系はわかりにくい。
最近読んだ漫画。
やっと半ばの14巻までたどり着いたところ。謎の金属生命体を身体に移植されてしまった4人の「ARMS」たちと、巨大な組織エグリゴリとの戦いを描く壮大なサーガ。物語の冒頭に聞こえてくる「力がほしいか」というセリフは、『デスノート』『反逆のルルーシュ』等々といった近年の一群の作品に流れる通奏低音。主要な登場人物の名前がすべて『不思議の国のアリス』からとられているところなど面白いが、どこかで見たことがある物語というデジャ・ヴュ感は否めない。
『ジョジョの奇妙な冒険』ははじめの方で挫折してしまったので、この短編集を読む。監獄そのものが処刑部屋と化す表題作や、海で漂流するヨットの上で、猫と人間が生き残りを賭けて死闘を繰り広げる「ドルチ」など、奇妙な味わいの4作は、いずれも読み応えがある傑作。しかし、絵はやはり好きになれない。
これまでに読んだ伊藤潤二の作品のなかでは抜群に面白かった。三巻完結というのは伊藤潤二としてはかなりの長編の部類にはいると思う。あらゆる場所に渦巻が増殖してゆく「渦巻幻想」。物語は、様々な渦巻のヴァリエーションを描くためのおまけに過ぎないといいたくなるほど、執拗に反復されていく渦巻のイメージは読んでいて圧巻だ。カタツムリから始まって、舌や吐く息、最後は町全体までが渦巻と化してしまう。終盤近く、自分の吐く息で作り出した渦巻に乗って空を飛ぶ「蝶族」なる不良グループが登場するあたりは、なかなかのぶっ飛びぶりだが、楳図かずおの物語のダイナミズムにはまだまだ及ばない。