2010-01-01から1年間の記事一覧
タランティーノが審査員長をつとめたヴェネチア映画祭の金獅子賞はソフィア・コッポラの『Somewhere(原題)』でした。ちょうど同じ頃、クロード・シャブロルが80才で亡くなりました。死因は不明。『石の微笑』など、最近になっても非常にレベルの高い作品…
秘密にしていたが、実は、最近、パソコン周りで事件が続発している。なぜか次々とすべてが故障していくのだ。すべての問題を解決するために、数ヶ月のあいだに結構な金と労力を使ってしまった。だれかの役に立つかもしれないので、以下に経緯をメモしておく…
最近は、書店の映画コーナーにもほとんど立ち寄ったことがなかったので、たまにはチェックしておこうと思ってネットで調べてみた。以下、気になったものを何冊かあげておく。 『鈴木清順エッセイ・コレクション』 (ちくま文庫) 『伊丹万作エッセイ集』 (ちく…
映画を見はじめたとき、デミルはすでに過去の巨匠だった。というか、わたしが生まれたときには彼はもうこの世にいなかった。テレビでときおり放映される彼の映画は、『十戒』や『サムソンとデリラ』といった聖書を題材にしたスペクタクル映画ばかりで、どう…
前回アップしてからずいぶん日にちがたってしまったが、実は一行も書いていなかった。最近は、韓国映画(といっても、いわゆる韓流映画ファンがほとんど見ない30〜70年代の作品)ばかりを見ている。数十本ほどまとめて見たが、まだ重要な作品で見落とし…
ストローブ=ユイレ『雲から抵抗へ+あの彼らの出会い』 パヴェーゼものを2つ。 『イエジー・スコリモフスキ DVD-BOX』 スコリモフスキ自らが主人公・アンジェイを演じた“アンジェェイもの”三部作、『身分証明書』『不戦勝』『手を挙げろ!』を収録。 海外で…
アブデラティフ・ケシシュ『クスクス粒の謎』 Abdellatif Kechiche の『The Secret of the Grain』(2007) が Criterion から DVD で登場。アブデラティフ・ケシシュ(という読み方でいいのか?)は 、1960 年、チュニジア生まれで、元々は俳優だった。2000 …
アラヌス・デ・インスリスは、その中心はいたるところにあるが、その円周はどこにもない球体について語る。ボルヘス「エル・アレフ」 ジム・ジャームッシュ『リミッツ・オブ・コントロール』 『リミッツ・オブ・コントロール』で、黒人の殺し屋の前に次々と…
最近のお気に入り ヤング・マーブル・ジャイアンツ『コロッサル・ユース』 イギリスの伝説のロック・バンド、ヤング・マーブル・ジャイアンツが 1980 年に発表した彼らの唯一のアルバム。いま聞くと泣けます。基本、ガールズ・バンドというか、女性ヴォーカ…
選挙の季節、ということで、どさくさにまぎれて、ロバート・アルトマンの未公開作品を2本紹介しておく。 『Secret Honor』 「現役の政治家を撮ったドキュメンタリーでこれほど衝撃的な作品はないだろう。ニクソンが部屋のなかでひたすら一人でしゃべりまく…
すべてフランス版。 ジャン=リュック・ゴダール『Film Socialisme』 上映が予定されていたカンヌ映画祭直前に Web に予告編が流れて話題になったゴダールの新作が、早くも DVD になった。一時間を超える長編としては『アワーミュージック』以来。日本公開は…
わたしが RKO Pathé のロゴをはじめて目にしたのは、ジョージ・キューカーの『栄光のハリウッド』(31) という作品のなかだった。RKO のオープニング・ロゴといえば、Radio Pictures になってからの、電波塔から電波がピピピと出るあれしか知らなかったから、…
エミール・レノーという人のことをちょっと調べていた。いわゆる「映画前史」が語られる際に必ず登場する人物のひとりだが、マイブリッジやマレーなどとくらべるといささか影が薄い。とはいえ、同じぐらい重要な人物である。(ちなみに、Reynaud は、「レイ…
しばらくフランスの DVD をチェックしないあいだに、大変なことになってた。 すごいのがごろごろ出てる。Amazon.fr はいったん在庫がなくなると、それで終わりという場合が少なくないし、早めに注文せねば。 ロバート・クレイマー『millestones ; ice』 実を…
もしも若きアメリカ人モリス・エンゲル が、その美しい映画『小さな逃亡者』で、われわれにインデペンデント映画への道を示してくれなかったら、ヌーヴェル・ヴァーグは存在しなかったでしょう。フランソワ・トリュフォー「ザ・ニューヨーカー」 ある写真の…
ヴィンセント・ミネリ『ボヴァリー夫人』 最近、映画館が遠く感じられる。去年は、いろいろ見逃してしまったものだ。ソクーロフの『ボヴァリー夫人』もつい行きそびれてしまった一本である。──というのは嘘で、本当は、まるで見る気がしなかったのだ。もとも…
先日、刑事コロンボを見ていたら、アン・バクスターが映画女優の役ででていた。メル・ファラーが共演というのも豪華だが、このテレビシリーズに往年の映画スターが登場するのは珍しくない。今回は彼女が犯人役か、ぐらいに思って見ていると、ある場面で彼女…
全然書く気がしない。また、DVD の紹介です。 ラウール・ルイス『Dialogues of the Exiled』 『Film Noir Classic Collection, Vol. 5』 (Cornered / Desperate / The Phenix City Story / Deadline at Dawn / Armored Car Robbery / Crime in the Streets /…
前回アップしてから一行も書いていなかった。穴埋め的に DVD の紹介でもしておく。 タル・ベーラ『倫敦(ロンドン)から来た男』 アニエス・ヴァルダ『アニエスの浜辺』 ペドロ・アルモドバル『抱擁のかけら』 リ・イン『2H』 Amazon の該当ページでは情報が少…
ルイス・ガルシア・ベルランガは、フアン・アントニオ・バルデムらとともに、50 年代におけるスペイン映画の再生に中心的な役割を果たしたとされている監督である。49 年に共同監督した『Paseo sobre una guerra antigua』がともに処女作というベルランガと…
Criterion のホームページを見ていて思わず、「おぉ!」と声を出してしまった。Eclipse シリーズからサッシャ・ギトリの DVD-BOX が出るのだ。 『Eclipse Series 22: Presenting Sacha Guitry』 収録されている作品は、The story of a Cheat, The Pearls of …
『拳銃の報酬』 紀伊国屋から発売。5年ほど前にロバート・ワイズが亡くなったとき、だれか『拳銃の報酬』を DVD 化してくれないものかと、このブログに書いたことを、思い出した。もっとも、その頃は、この映画のことはほとんど忘れられていたので、たいし…
ハルーン・ファロッキの『How to Live in the German Federal Republic』 の DVD が出るようだ。DVD になるのは初めてではないだろうか。ドイツではファロッキ作品の5枚組 BOX が出ているが、英語字幕がついている気配はないし、もれている作品も結構多い。…
『The William Castle Film Collection』 ウィリアム・キャッスルの名前は日本でもそれなりに知られている。しかし、有名なわりには、ビデオにはほとんどなっていないし、DVD も今のところ数枚が出ているだけだ。別に見るほどの監督ではないではないかといわ…
マルカム・ラウリー『火山の下』(EXLIBRIS CLASSICS) (単行本) マルカム・ラウリーの『火山の下で』が新訳でひさびさに登場する。わたしが学生の頃にはすでに絶版になっていた本だ。なぜ今頃という気もするが、まあとにかく、出してくれてありがたい。おおむ…
アメリカでは、ロシア革命直後のサイレント映画の時代から、多くの反共映画が作られてきた。それは、第二次大戦中の一時期をのぞいて、戦後の冷戦の時代までずっと続いてゆく。つぶさにリストアップしてゆけば、その数は大変なものになるだろう( このページ…
おりしも『アキレスと亀』の公開中ということもあって、Web 版「Liberation」の映画欄は、いま北野武一色だ。 さて、最近出た映画の本の中で、気になったものを紹介しておく。本屋に行っても映画コーナーにはあまりいかないし、ネットでもしばらく調べていな…
エルマンノ・オルミ『ポー川のひかり』 『若き日のリンカーン』のヘンリー・フォンダは、馬車でやってきた入植者の家族がもっていた法律書に魅せられ、法律を学び始める。一方『リバティ・バランスを射った男』で、同じように馬車で町にやってきたジミー・ス…
どうでもいい情報の続き。 最近読んでいるマンガ。すでにどこかで名前を挙げたタイトルはのぞく。 『百舌谷さん逆上する』 「ツンデレ」について知りたければ、読むといいマンガ。あるいは、これを読むと「ツンデレ」が何だかわからなくなるマンガ。「ツンデ…
なんか急に、どうでもいいことが書きたくなったので……。 『Practice Makes Perfect Spanish Verb Tenses』 スペイン語はいつも動詞活用とボキャブラリーで挫折してしまう。まずは動詞活用だということで、その養成ギブス的なものとして購入したのがこの本。…