2008-01-01から1年間の記事一覧
面倒くさいのでコメントは控えめに。あんまりたいしたブツはないです。 マノエル・ド・オリヴェイラ『夜顔』 ガス・ヴァン・サント『パラノイドパーク』 『Pieces of TOKYO!~映画「TOKYO!」サブテキスト』DVD 『ソール・バスの世界』 ヒッチコック映画などの…
スピルバーグの「インディ・ジョーンズ」新作はいまさらという気がしてはなから行く気がしなかったのだが、「ユリイカ」のスピルバーグ特集号に掲載された蓮實重彦・黒沢清の対談を(冒頭のところだけだが)読むにつけても、やっぱりそうかと思ってますます…
The summer was hot that year, and with the breaking of the warm weather came the prospect of a full-time job for Richard Grey. His friend at the BBC put him in touch with the head of films at Ealing, the place where his film career had beg…
TSUTAYA でテレンス・フィッシャーの『吸血鬼ドラキュラ』の DVD を借りて見ていたときの話。『吸血鬼ドラキュラ』はクリストファー・リーとピーター・カッシングが共演したハマー版ドラキュラの記念すべき第一作だ。実は、小さいころ見て以来、見直すのはほ…
MacBook の状態がそろそろ限界に達したので、修理に出そうと思ってサポセンに電話する。保証期間は終わっていたが、なんとかタダで修理させようとクレーマー並みに1時間ぐらい電話でねばったが、最後は技術担当者にまわされ、結局いいふくめられてしまった…
新作DVDと新刊本を、気づいたものだけ。 エルンスト・ルビッチ『陽気な中尉さん』、『ラヴ・パレード』 ジュネス企画です。 中原昌也『映画の頭脳破壊』 蓮實重彦、鈴木則文、柳下毅一郎、西島秀俊、芝山幹郎、阿部和重、長嶋有、井土紀州、樋口泰人、青山真…
パソコンの調子が最悪なので、更新が滞り気味です。 ☆ ☆ ☆ 「ルノワール・ルノワール展」にいく前にルノワールの映画をすこし見ておこうかと思って、『小間使いの日記』と『ゲームの規則』をひさしぶりに見直した。そのあとでドライヤーの『ミカエル』をたま…
ジョセフ・ロージー『夕なぎ』、『秘密の儀式』 ロージーは日本でも海外でも、それほど DVD化は進んでいないように思える。ついにロージーの DVD化がはじまったのか。『夕なぎ』は何度か見ているが、『秘密の儀式』はおおむかしにパリで見て以来だ。ともかく…
ただの覚書です。 Cahiers du Cinéma では、いま、"Bazin mois après mois" と題して、毎月アンドレ・バザンの短い文章をコメント付きで載せている。バザンの書いたものなどとっくにすべて本になっているかと思いきや、どこかの雑誌などに発表されたままほと…
スタニスワフ・レムが『枯草熱』という小説を書いているということをはじめて知ったときは、その「枯草熱」という未知の言葉に魅せられたものだが、だいぶ後になって、枯草熱を意味する "hay fever" という英語が「花粉症」の意味でも使われることを知って、…
シドニー・ポラックが死去。とりわけ愛した監督でもなかったが、ベルギー戦線を背景にした奇妙な戦争映画『大反撃』などがいまは記憶に残っている。 ☆☆☆ 神戸映画資料館に福田克彦の『草とり草紙』を見に行く。ここは去年に自主上映活動をはじめたばかりの映…
なんかいろいろあったんだけど、書きかけていたものを先にアップします。 気になる復刊本 松浦寿輝『エッフェル塔試論』単行本も、文庫本も持ってるけど、とにかくめでたい。 大岡昇平『小説家夏目漱石』 猫本2冊。村松友視『アブサン物語』 金井美恵子『タ…
見るからにとてつもなく、息をのむほど美しい、滑稽で荘厳な作品、『怒りのキューバ』は、いつもの判断基準をことごとく狂わせてしまうので、いかなる評価もあてはまらない。1964年に撮られた、錯乱し、叙情的で、叙事詩的な、共産主義のプロパガンダ作品。…
『接吻』という映画が気になっていた。昨日、『パラノイドパーク』を見にいった劇場のポスターを見て、これが万田邦敏の映画だと知る。そういえば、Film Comment に載っていた蓮實重彦のベストテンに万田の SEPPUN という作品がはいっていたことを思い出す(…
MacBook の調子がすこぶる悪い。前に修理に出したときとほとんど同じ症状。もういい加減にしてほしい。 それもあって、あんまり書く気になれないが、DVD の紹介ぐらいはしておこう。 ヘンリー・ハサウェイ『闇の曲がり角』フィルム・ノワールの代表作の一つ…
フランチェスコ・ベルトリーニとアドルフォ・パドヴァンが監督した『地獄篇』(L'inferno, 1911) という映画の米版DVDを見た。日本では未公開の作品なので、知っている人は少ないだろう。『カビリア』以前に撮られたイタリア映画の大作である。ダンテの『地獄…
「言い伝えによれば、傷痕は消えるそうだ」と、だしぬけにマットがいった。「犠牲者が死ぬと傷痕は消えてしまうんだよ」 「それは知ってますよ」と、ベンがいった。ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』でも、クリストファー・リー主演のハンマー・プロの映画…
カンヌ映画祭のコンペ出品作の一部が発表された模様。フランスからはアルノー・デプレシャンとフィリップ・ガレルの新作が出品される。アメリカからの出品作は少ないようだが、イーストウッドがアンジェリーナ・ジョリー主演で撮った誘拐サスペンス「The Cha…
エメ・セゼール『帰郷ノート/植民地主義論』 フランスの詩人であり、政治家でもあったエメ・セゼールが亡くなりました。高齢だったのでいつ死んでもおかしくない状態だったそうです。改めて調べてみると、日本で出ている翻訳は意外と少ないですね。 ジャック…
『クローバーフィールド』この映画は、最初から最後まで、一般人がビデオで撮影した映像という体裁でつくられている。いわば、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の手法を使って作りあげられた大仕掛けのSFアクションである。ドゥルーズふうにいうなら、…
FILM COMMENT の昨年の映画ベストテンが発表されていた。蓮實重彦の個人ベストテンも載っていたが忘れた。ナンニ・モレッティの新作がはいっていたのがちょっと意外だったぐらいで、あとはいつもの固有名詞が並んでいるだけだったと思う。どうしても気になる…
川口浩の探検隊みたいなおバカな映画になっている可能性も高いが、『クローバーフィールド』は気になるので見にいってしまいそう。 チャールトン・ヘストンの死亡は国際的に大きく報じられているが、リチャード・ウィドマークが死んだことはあんまり話題にな…
小説は出自の卑しい芸術だといわれるが、映画にくらべればまだましだ。映画の卑しい出自を確かめるためにも、くだらないホラーなどもたまには見ておく必要がある。 セルジオ・マルティーノ『影なき淫獣』 『デス・プルーフ』のタランティーノが影響を受けた…
Amazon.com に注文していた商品が到着予定日を1週間ほど過ぎても届かないので、そろそろメールで確認しておいたほうがいいかと真剣に考えはじめたころになってやっと届く。ほっとしたが、梱包の仕方がちょっと気になる。いつもは段ボールのなかの商品がナイ…
夜桜がちらほらと舞うなか、野外で薪能がおこなわれている。そこはどう見ても日本のようなのだが、終始聞こえているモノローグのなかに「日本」という言葉はでてこない。たくさんの観客が舞台を見つめているが、夜の上に、画面にはうっすらと紗がかかってい…
ルイス・マイルストンの『異常な愛』(Strange Love of Martha Ivers, 未公開)の DVD をずいぶん昔に買ったままだったことを思い出し、見てみる。 ルイス・マイルストンは、『西部戦線異状なし』というつまんない戦争映画で有名だが、わたし的にはこれがか…
だれもが知っているが、だれもいわない。ヌーヴェル・ヴァーグの最初の映画は『ラ・ポワント・クールト』であり、つくられたのは1955年、『二十四時間の情事』と『大人は判ってくれない』の3年前だということを。ジャン=ミシェル・フロドン フランスの…
Amazon で新井英樹の『ザ・ワールド・イズ・マイン』を注文してしまった。面白いのはわかっていたが、万が一面白くなかった場合のことを考えて、念のために3巻目までをまず注文する(といっても、全部で5巻なので、大して変わらないのだが)。わたしが買っ…
セルジュ・ダネーがマリオ・バーヴァの『知りすぎていた少女』についてどこかに書いていたはずだと思って探してみたが見つからなかった。L'Exercice a été profitable, Monsieur のなかに出てくる『血ぬられた墓標』のこととどうも勘違いしていたようだ。『…
マリオ・バーヴァの Rabid Dogs には、強盗たちによって人質にされた若い女が、服を着て立ったまま放尿を強要されるシーンがある。すぐに気づいた人もいると思うが、ウェス・クレイヴンの『鮮血の美学』にもこれとまったく同じ場面があるのだ。ウェス・クレ…